ファイターズ
2021/10/12 14:45

天理高194センチ右腕の達を1位指名 メジャー志向ダルの道歩む

日ハムドラフト1位指名を受けた達孝太。ボールとマスコット人形を持ちポーズを決める(撮影・桜田史宏)

 1本釣りだぁ~! 日本ハムは11日、プロ野球ドラフト会議で天理高の達孝太投手(3年)を1位指名した。他球団が高校BIG3や即戦力大学生を入札する中、球団は次世代のエース候補にと、身長194センチの大型右腕を単独指名。元日本ハムのダルビッシュ有投手(現パドレス)に憧れ、メジャー志向が強く、伸びしろ十分な17歳との交渉権を得た。育成を含め過去最多タイの13人を指名し、栗山英樹監督(60)も大満足のドラフトとなった。

移転元年の開幕戦が誕生日、縁が紡いだ一本釣り

 意志の強さが随所に表れていた。日本ハムの1位指名をモニターで確認しても、マスクをした達の表情はほとんど変わらなかった。12球団の1位が確定してから会見が始まり「1位で指名していただけると思っていなかったので、びっくりしています」と、素直な心情を言葉にした。
 194センチの長身。細身で手足が長い。シルエットは東北高時代のダルビッシュ(パドレス)をほうふつとさせる。実際、日本で群を抜く成績を残し、メジャーでも活躍する右腕に憧れてきた。
 日本ハムの印象を問われ「ダルビッシュさんをはじめ、多くのいい投手が育つ球団だと思います。自分がやるべきことをやって、ダルビッシュさんの後を追いかけていけたら」と将来のメジャー志向も隠さず言い切った。理想としてほかに、マックス・シャーザー(ドジャース)、トレバー・バウアー(同)のサイヤング賞投手2人を挙げ「3人を足して3で割った投手になりたい」とぜいたくな夢を描いた。
 自らの内面について「良くも悪くも周りに流されない。ポジティブで自分の興味を持ったことは、全部知りたい性格」と分析するように、探究心が旺盛だ。ダルビッシュのように、フォームや球の回転数のほか、栄養学なども熱心に学ぶ。投球の向上のためなら、時間と労力を惜しまない。
 今ドラフトの目玉として、小園、風間、森木は150キロを超える直球が脚光を浴びた。達の最速は149キロだが、対抗心は全くなかった。「150キロを出したから打たれないわけではない。ソフトバンクの和田さんが抑えられるのは、回転数やフォームの見にくさが関係していると思う。プロで活躍しようと思ったらスピードも大切ですけど、それ以外のこともかかわってくると思います」。理路整然と考えを明かした。
 北海道について聞かれ「行ったことはないですが、寒いという印象はあります」と小さく笑って答えた達。球団が本拠地を移転し、北海道日本ハムとして臨んだ最初の開幕戦が2004年3月27日。偶然にもこの日、生を受けた右腕が17年後、不思議な縁に導かれ、単独指名で結ばれた。
(榎本真之)

■プロフィール

達 孝太 (たつ・こうた) 2004年3月27日生まれ、大阪府出身。右投げ右打ち。天理高の投手として今春の甲子園では自己最速の149キロをマークするなど、チームを4強に導いた。194センチの恵まれた体格から投げ下ろす右の本格派で、角度と伸びのある快速球が武器。スケール感、将来性ともに魅力抜群。類いまれなポテンシャルを秘め、先発投手陣の大黒柱になりうる大器だ。194センチ、84キロ。

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