冬季スポーツ
2023/02/19 22:00

スノボ女子HP16歳・折田 道選手権で圧倒的な高さ披露 次世代ヒロイン候補

今季国内初戦で、予選トップ通過した折田(撮影・西川薫)

■スノーボードハーフパイプ北海道選手権(19日、さっぽろばんけいスキー場)

国内初戦の予選でトップの83得点をマーク

 3年後のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪へ向け、将来のオリンピアン候補が躍動した。スノーボードハーフパイプ国内初戦となる北海道選手権のFISクラスには海外遠征組を除く男女46人が全国からエントリーし、北海道勢では女子の折田心(北海学園札幌高1年)が予選2本目に83点の高得点で19人中トップ通過した。上位6人の決勝ラウンドでは2本とも着地に失敗して5位に終わったが、そのポテンシャルの高さを見せつけた。

若干16歳で高得点も 決勝ラウンドは2本とも着地に失敗

 若干16歳の圧倒的なエアーの高さに、観客席からもどよめきが起こった。予選2本目にマークした83点は、決勝を通じても最高得点。「今できる全てを出せたと思うんですけど、決勝で2本とも自分の技をできなかったのは実力不足。今後の練習でそこを修正して、次の大会につなげたい」と巻き返しを誓った。

競技を始めたきっかけは松本遥奈さんの存在

 本格的に競技を始めたのは8歳のとき。きっかけは、2018年の平昌五輪に出場し、世界選手権やUSオープン、Xゲームズなどでメダルを獲得した札幌市出身の松本遥奈さん(29)の存在だった。先日、競技の第一線からの引退を公表し、この日は会場にも訪れていた。「同じサロモンを使っていて、小さい頃には練習会にも参加しました」。憧れ続ける選手の前で、成長した姿を見せることができた。

18年12月に右肩を骨折 「ライバルたちと差が開いて、すごく悔しかった」

 大けがを乗り越えた。札幌豊平小6年の18年12月に右肩を骨折。半年後、今度は山梨の室内ハーフパイプ場でパイプの角に激突し右肩を骨折。「けがの期間で練習できなかった分、ライバルの人たちと大きく差が開いて、すごく悔しかった。その分、努力をして空いた期間を埋められるように頑張りました。一時は競技を辞めようかと迷ってたんですけど、上の人たちのかっこいい滑りを見て、もう一度、競技で頑張りたい」と、その冬には銀世界へ戻ってきた。

 五輪出場へのハードルが高いのは覚悟の上だ。今季、W杯種目別総合優勝した小野光希(18)や、冨田せな(23)&るき(21)姉妹ら日本の選手層は厚い。まだW杯など国際大会の経験がない折田にとっては、昨季5位に食い込んだ全日本選手権や、今年8月末からニュージーランドで行われる世界ジュニアに出場して好成績を収め、ステップアップにしたいところだ。

新たな技で「3月の全日本選手権で優勝したい」

 勝負のシーズン後半戦へ、新技の開発にも力を入れている。グーフィースタンスの折田のルーティンは、フロント720から、キャブ720、フロント540とつなぎ、最後にバック540。「1発目に(半回転多い)フロント900の練習をしている。3月の全日本選手権でそれを出して優勝したい」。持ち味の高さに大技を組み込み、ジャッジと観客のハートをつかんでみせる。

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