野球
2023/01/10 22:00

札幌出身の女子野球・山崎まり(西武レディース)NPB選手らと自主トレ

日本ハム・五十幡(上段右から2人目)、広島・秋山(上段中央)との自主トレに参加した札幌出身の山崎(下段右から3人目)

かつて女子プロ野球で最多打点、ベストナイン 「公式戦でホームランを打ちたい」

 硬式野球チームの埼玉西武ライオンズ・レディースに所属する札幌出身の山崎まり内野手(33)が10日、広島・秋山翔吾外野手(34)が主催する静岡・下田市吉佐美運動公園で開催中の合同自主トレで軽快な動きを披露した。女子球界を長くけん引してきた道産子は、今季の目標を日本一に定めて着々と準備を進めている。

 山崎は2013年から7年間を過ごした女子プロ野球の世界で、最多打点やベストナインを獲得するなど輝かしい実績を収めてきた。西武レディースに加入してから迎える4度目のシーズンへ向け「巨人と阪神を倒して日本一になりたい。(個人目標は)女子選手がこんなにできるんだ、というところを見せたい。公式戦でホームランを打ちたいと思っている」と、爽やかな笑みを浮かべた。

広島・秋山から「調整法や打撃の引き出し」学ぶ

 秋山との合同自主トレには、元西武で東海大四高校(現東海大札幌高校)出身の田代将太郎さんが同郷、同学年だった縁もあり6年前から参加している。「秋山さんは年齢が1つ上。考え方、積み重ねてきたものがある。自分は女子野球の中でベテランになり、技術はもちろんフィジカルもやらなければいけないことがある。調整法や打撃の引き出しを主に聞いています」と、球界屈指の好打者から多くを学んでいる。

 NPB球団の女子チームは西武、阪神に次いで今季から巨人も始動する。女子野球は国際大会で好成績を収め、競技人口も増加傾向にある。だが、プレー環境は決して恵まれていない。山崎は医療系の仕事と野球の個人レッスンを掛け持ちし、生計を立てている。

道内女子野球の発展願う「私ができることなら何でもしたい」

 チームの全体練習は土日の週2回。大会前は水曜日も練習日に設定するが、普段の平日は職場が近い選手同士で集まるなど工夫を重ねて過ごしている。「8時間働いて練習をするのはなかなか厳しい。だから収入を抑えた形にして、なるべく体を動かす時間を確保している。野球の遠征が入ったら長期休みが取れるような働き方を自分で選択している」。悲壮感は一切浮かべず、真摯に競技と向き合っている。

 女子野球の盛り上がりを心から願っている。特に北海道球界への思い入れは強く、道内のアマ野球情報は常にチェックしているという。

 現在、道内の高校では札幌新陽、駒大苫小牧の2校が女子硬式野球部を持ち、昨春からは栗山が同好会としてスタート。今年4月からは旭川明成も部が発足する。「(競技に取り組む)子どもが増えていることは知っているし応援してくださる方もいる。私ができることなら何でもしたい」。女子球界のスターは華麗なプレーと献身的な姿勢で、新時代の扉を開き続ける。

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