高校野球
2022/12/06 05:00

今春の選抜甲子園に出場したクラーク国際・辻田が亜大合格

今春の選抜甲子園で活躍したクラークの辻田。大学は亜大に合格した(クラーク野球部提供)

夏の北大会はベスト4だった最速148キロ右腕

 4年後はドラ1で―。今夏の高校野球北北海道大会ベスト4まで進んだクラーク記念国際の辻田旭輝投手(18)が5日、東都大学リーグの名門・亜大の経済学部に合格した。最速148キロを誇る右腕は大学で実力を磨き、ドラフト1位指名でのプロ入りを誓った。

 野球人生を懸けた4年間が来春から始まる。今春の選抜甲子園では九州国際大付相手に8回⅓1失点11奪三振の快投を見せた辻田が、大学野球の強豪である亜大へ入学する。「亜細亜大学は名門大学。監督さん(生田監督)も名監督。そういうところで野球ができるのは経験値が上がるので、うれしい気持ち反面、今度は全国からすごい選手が集まってくるので、その選手に負けないようにやっていかないといけない」。

練習見学で充実の設備に驚がく

 すでに練習見学なども行っており、その設備の充実具合に、ただただ驚いた。「(学生寮の)大きさとか広さも寮じゃない。一つのマンションみたい。ウエートルームも普通のゴールドジムみたいな、それより良いかもしれない。すごい」と目を丸くするばかりだった。

 高校では道内屈指の実力を誇っていただけに、プロ志望届を出す選択肢もあったが、春の甲子園後に左膝を疲労骨折したことで進路を大学進学へと切り替えた。「もっと鍛えて、圧倒的な成績を残してからプロ野球選手になった方が自分のためになる」。その分、目標は明確だ。「大学4年間で日本一になって、そこで負けないピッチャーになって、ドラフト1位で行けるように頑張っていきたい」と意気込んだ。

同級生でプロになった道産子選手にライバル心

 今年10月に行われたドラフト会議では、苫小牧中央の斉藤が広島からドラフト1位指名を受けたほか、東海大札幌高の門別が阪神2位、知内の坂本がヤクルト4位と、同級生の道産子選手が続々とプロ入りを果たした。辻田は「身近な人たちがプロ野球選手になっているので、悔しかった気持ちの方が多かった」とライバル心をむき出しにした。

 特に知内の坂本とは仲が良く、ドラフト後にはLINEを通じて「おめでとう」と祝福し、「4年後は待ってて」とメッセージを送った。坂本からも「(亜大は)厳しいと思うけど頑張れよ」との激励を受けた。

目標は2年時までに150キロ到達

 練習で148キロを投げたことはあるが、公式戦での最速は144キロ。大学入学後は2年時までに150キロ到達を目指す。「伸びのある150キロ以上の球と、右バッターのインコースにしっかりと投げ込める気持ち。負けないピッチャーになって、周りから信頼されるようなエースになって、4年間頑張っていきたい」。高校野球が終わってからすでに7キロの増量に成功するなど、ドラ1右腕となるためには妥協はしない。全国から集まってくる猛者たちとの競争を勝ち抜き、世代NO.1の投手になる。


プロフィール
 辻田旭輝 (つじた・あさひ) 2004年5年13日生まれ、江別市出身。中学時代は岩見沢リトルシニアに所属し、日本代表として全米選手権にも出場した。クラーク記念国際では投手兼内野手として活躍。1年秋からベンチ入り。2年秋には投手兼任として全道大会優勝に貢献した。今春の選抜甲子園では1回戦の九州国際大付戦でリリーフ登板し、8回⅓1失点と好投。3年夏は北北海道大会準決勝で旭川大学高に敗れた。183センチ、88キロ。右投げ左打ち。家族は両親と兄、妹、弟。