日本ハムの秋季キャンプが７日、沖縄県の国頭村で始まる。来季の優勝を目標に掲げる新庄剛志監督（５０）はチーム強化策として「逆回り野球」と「守備デー」の導入を予告した。天然芝の新球場「エスコンフィールド北海道」に適した戦い方を思案しながら、改革を進める。

＜左打者＞強く振る意識の転換＜右打者＞走り打ちの技術を体感

　湧き出るアイデアを精査し、実践しようとしている。秋のキャンプを控えた新庄監督は「逆回りの野球をやらせたい。右打者も左打者も打ったらサードに走る。そういう野球を紅白戦でやってみようと思って」と驚きの構想を明かした。ルールを根底から覆し、走者は時計回りにダイヤモンドを駆ける。極めて斬新な取り組みだ。

　当然、意図がある。走り打ちの傾向がある左打者は、必然的に強く振るよう意識の転換を求められる。一方で右打者は、外角球にバットを合わせ、早く走りだすような技術を体感できる。現役時代から、走り打ち一辺倒の選手に対し「もったいない」と疑問を持っていたという。自ら考え、工夫する過程が重要で「ヘッドの使い方とか、新しい（発見があるかもしれない）。今までこれをした選手はいないと思うから、きっかけをつかめたら面白い」と説明した。

天然芝新球場「ガンガン慣れるため」守備デー設けスローイング強化

　もう一つ、主眼を置くのは守備だ。今季の失策数は１２球団ワーストタイの８６。かつて名手と言われた指揮官にとって、物足りない面が少なからず、あった。来季は人工芝の札幌ドームから天然芝の新球場に戦いの場を移す。「新球場にガンガン慣れるために守備は結構、時間を使うかな」と見通しを口にした。

　秋は、身につくまで反復する時間がある。「守備だけの日とかをつくらせる」と計画し「特に大事なのはスローイング。取ってくれたら、もうベンチで安心できるような選手になってほしい」と期待を寄せた。勝利に執着する２年目のボスは、妥協を許さず、強いファイターズを構築する。