ファイターズ
2022/08/16 06:00

自腹を切ってでも!?新庄BIGBOSSがFA補強熱望「足りなかったら俺が出すしかない(笑)」

自腹もOK!? 実績があり、FA権を持つ選手の獲得を熱望した新庄BIGBOSS

 FA戦線に打って出る!? 日本ハムの新庄剛志監督(50)が今オフのチーム編成に触れ、国内FA(フリーエージェント)権を持つ選手の獲得を熱望した。育成とスカウティングが柱の球団はこれまで、マネーゲームに発展しやすいFA補強に消極的だったが、ビッグボスの考えは少し違う。来年、優勝するためには計算できる戦力が必要不可欠。自腹を切る覚悟も示し、フロントに本気度をアピールした。

充実の戦力で新球場元年V狙う

 ペナントレースを戦いながらも、FA権取得者の動向に目を光らせていた。新庄監督は私見と断った上で「FAは、積極的に仕掛けていきたい。僕の考えですけど『トライしてほしい』ということは言いたいですね」と編成権を持つフロントに提言した。

 優れた実績を持つ選手がFA宣言した場合、他球団との競合は必至だ。今季は西武・外崎やロッテ・中村奨らがすでに権利を取得済みで、これから西武・森や広島・西川、巨人・丸、阪神・西勇らも取得見込みだ。指揮官は自ら条件交渉に関わるつもりで「そりゃ、いきますよ。(資金が)足りなかったら俺が出すしかない(笑)。そのくらいの気持ちですよ」と訴えた。身銭を切る形での補填(ほてん)も辞さない―。前代未聞の奥の手まで明かし、強い覚悟を示した。

 今季、監督に就任し、106試合を戦ってきた。経験値の少ない粗削りな若手を鍛え、根気強く起用。勝利に固執せず、成長を促してきた。ただ、現状の顔ぶれだけで来年の優勝をつかめるとは、考えていない。「(他球団の主力に)来てもらうことによって、チームに分厚さが出てくる。競争意識をもってね」。実績十分の中堅、ベテランが加わることで相乗効果が生まれ、チームが活性化するとみていた。

 補強ポイントはイメージできている。目指す野球のスタイルとマッチするプレーヤーが理想だ。「足の速い選手はやっぱり欲しいですね。あと、新球場は狭くなるから、長打のある選手。ピッチャーはゲームをしっかりつくってくれること」

過去のFA選手獲得は稲葉氏&鶴岡氏だけ

 他球団で主力を担う目玉選手となれば、巨額の年俸と複数年契約が求められ、潤沢な資金を持つ球団が優位だ。過去、日本ハムがFA宣言した選手を獲得したのは、2005年の稲葉(現GM)と18年の鶴岡の2人だけ。若手育成の方針もあり、交渉に乗り出すケースは少なかった。

 ただ、来年は新球場の開業元年。歴史的なシーズンを優勝で飾りたい。野手では松本剛、野村が真価を発揮し、清宮、万波らが頭角を現しつつある。投手では加藤、伊藤に加え、北山、根本らが奮闘中。近藤や上沢のような大黒柱がもう一人でも加われば、チームの強度はグッと増す。ビッグボスは独自の計算式に基づき、勝つためのピースを貪欲にかき集める。

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