ファイターズ
2022/06/24 23:29

重盗読まれ甲斐に返り討ち―ビッグボス奇襲不発でワースト6連敗

奇襲を読まれた新庄監督だが、選手の成長のため、今後も駆け引きを続けていく

■日本ハム1-5ソフトバンク(24日、ペイペイドーム)

〝偽投〟で挟まれ…「駆け引きなので。向こうも考えていた」

 まんまとわなにはまった。ビッグボスが仕掛けた奇襲は、通用しなかった。腹を探り合うような高度な駆け引きの中で、からめ手の重盗が読まれた。先制機を逸すると、ソフトバンクに主導権を握られた。エースの上沢直之投手(28)はKOされ、今季ワースト6連敗となった。

 千賀攻略へ、下準備を整えた。一回、石井の右翼フェンス直撃の二塁打と四球で2死一、三塁。打席にはアルカンタラが入っていた。ここでベンチが動く。一塁走者の松本剛はディレードスチールで、相手が二塁へ送球する間に、三塁走者の石井が生還するはずだった。5月15日の対戦でも使用し、鮮やかに成功させていた勝負手だったが、捕手の甲斐は二塁へ送球するふりをする〝偽投〟。誘い出された三走は挟まれ、憤死した。

 試合後、ビッグボスは相手ベンチの心理を推測しつつ「初回からサードスローが来てびっくりした。駆け引きなので。向こうも考えていた。来るだろうと」と回想。いちかばちかの戦術は大きなリスクも伴うが「これからも、どんどんどんどんやりながら、駆け引きをしていきたいなと思います」と強気の姿勢を崩さなかった。

上沢でも勝てず六回途中5失点「悔しい気持ちでいっぱい」

 ロースコアの展開に持ち込みたかった。ただ、エース上沢も踏ん張りきれなかった。一回、柳田に先制2ランを浴びると、足を絡めた攻撃を止められず、小刻みに失点を重ねた。六回途中、5失点。108球でマウンドを降り「出はなをくじかれてしまい、そのまま悪い流れを断ち切れずにずるずると行ってしまいました。なんとか悪い流れを断ち切ろうと努めましたが力及ばず、悔しい気持ちでいっぱいです」とコメント。無念さがにじみ出た。

 借金は「17」まで膨らんだ。上位との差は開く一方だ。ただ、目先の勝利を捨て、強化のために全力を注いでいる新庄監督に悲壮感はない。「連敗はしていますけど、選手たちは一生懸命やっていて毎日毎日がもう自分との戦い。来年のために、ガチガチのレギュラーを奪い合うための(競争がある)。勝敗とか関係なしに、懸命にやっている選手たちの成長を見ているのが、すごい楽しくて」

 この日は、今後も見据え、投手コーチに任せていた継投を自身で主導した。選手もビッグボスも着々と経験値は重ねている。失敗も成功も全てが未来の糧になる。

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