ファイターズ
2022/06/12 20:20

《荒木大輔のズバリ解投》ペース崩さぬ加藤 「我慢」の投球はお見事

五回を抑え、ベンチへ引き揚げる日本ハム・先発の加藤(左)と石川亮のバッテリー

■日本ハム2ー0中日(12日、札幌ドーム)

走者を背負っても投球に変化見られず

 加藤がまたも安定感ある「我慢」を披露してくれた。一、二、四回と先頭に安打を許しながらも得点を与えず、7回無失点。ストライク先行でカウント負けしないピッチングは相変わらずで、安心して見ていられた。

 打線の援護をもらい、余裕のある場面ならば、多くの投手が冷静さを保つことができる。加藤は走者を背負っても投球に変化が見られず、どんな状況下でも自分のペースを崩すことがない。それが最大の武器だ。

 勝ち星は約2カ月ぶり。勝利に恵まれていない投手ほど「抑えなきゃ」と力みが出てしまうもの。ましてや今回は好投手の柳と投げ合った。それでも淡々と腕を振った。お見事だ。

 とはいえ、この1勝は大きい。好投が報われない試合が続くと、どうしてもモヤモヤは残る。それが後々、ボディーブローのように効いてくる。「我慢していれば勝てる」。加藤は、その思いを強くしたはずだ。

女房役・石川亮の気遣いはピカイチ

 前日に続き、女房役を務めた石川亮も好リードを見せた。登板を続ける投手の傍らには必ずと言っていいほど、石川亮がいる。投手への気遣いはピカイチ。現在、宇佐見も好調だ。いい競争が続きそうだ。

 打では清宮に雰囲気が出てきた。この日の適時打もしかり。自分の形を崩されても何とかしようという姿勢が見える。厳しいコースを攻められても「我慢」できている。確実に成長している。(本紙評論家)

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