ファイターズ
2022/06/09 23:25

「バリ腫れた」打球直撃の宮西が中1日で志願の登板 1回0封で「昔の感覚戻ってきた」

1回を無失点に封じた宮西。完全復活への手応えもつかんだ

■イースタン 日本ハム2-9DeNA(9日、鎌ケ谷)

クロスステップ改善でスライダー戻った

 やはり、鉄腕だ。打球直撃から中1日で、宮西尚生投手(37)がマウンドに戻ってきた。7日の2軍DeNA戦で左前腕に打球を受け、緊急降板したばかり。患部は「バリ腫れた。今もちょっと腫れている」という。それでも志願して七回から登板し、1回を危なげなく無失点で投げきった。

 「きょうは登板回避の予定だったけど、『投げたい』って言って投げさせてもらった。別に投げる分には何てことないし、こんなんで痛い痛い言っていられない」

 どうしても投げたい理由があった。前日8日、アナリストとの会話の中で、今季開幕から調子が上がりきらなかった要因に気づいたからだ。

 「スライダーが全然あかん。こっち(2軍)にきてから100球投げ込んで、60~70球くらいスライダーを投げてデータを見ても、数値とか、回転数、球速とかは(良かった時と)本当に変わらん。じゃあ何が悪いって話から、クロスステップじゃないかと。(投球時に)踏み出す足(右足)が、クロスステップしすぎていた。そこが全部の元凶じゃないか」

鉄腕さすがの修正力「核心にいけたんじゃないか」

 百戦錬磨のベテラン左腕。原因が分かれば、修正はお手のもの。フォームの肝となる股関節を、その日のうちに針などで集中的に治療した。「オフからのトレーニングで、股関節が硬くなっていた。股関節の動きを良くしたら、おのずと(マウンドでの)立ち位置がよくなって、踏み出しがクロスにならない。結果、スライダーの感覚が戻る。じゃあ曲がる、キレが上がる」

 見立ては当たった。9日の試合前、投球練習で靴一足分、左から中央へとステップを修正。「一発でハマった。こんな簡単なことやったん!って」。手応えは試合でも変わらなかった。「スライダーを見逃したやつも、(打者の)反応的に全然、いい感じの反応。兆しが見えた。昔の感覚が戻ってきた。もちろんこれが続けられるようにしないといけないけど、暗闇が少しは(晴れた)。ほんまにこれやったんやなっていう、核心にいけたんじゃないかな」。探していた〝正解〟に、ようやくたどり着いた。

 次カードは登板せず、徹底的に投げ込みを行う予定。「そこで完全につかめれば」と力を込めた。ビッグボスからは、1日に2軍降格した際、枳穀マネジャーを通して「大事なピースとして、早く修正してくれるのを待っています」と伝えられた。1軍復帰へ、視界は良好。指揮官の信頼に応えるためにも、最高の状態で戻ってみせる。

 

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