ファイターズ
2022/05/13 23:23

BIGBOSSサプライズ!現役時代の登場曲で万波V打「背中押してもらえた」

値千金の一打を放つ万波。四回2死二塁で中前にはじき返した(撮影・村本典之)

■日本ハム1-0ソフトバンク(13日、札幌ドーム)

千賀の158キロ直球食らいついた「フォークは空振ってもいい」

 ビッグボスの〝選曲〟がハマり、万波中正外野手(22)が試合を決めた。両先発の好投が光り、0-0で迎えた四回。2死二塁の好機で打席へ向かうと、札幌ドームにドクター・ドレーの「The Next Episode」が響いた。新庄監督が現役時代に使っていた登場曲。高卒4年目の大砲候補は「力をもらいました」と、ソフトバンク・千賀から中前へ先制&決勝の適時打を放った。

 指揮官からのサプライズだった。以前の練習中に「チャンスがあったら使っていた曲を流してもいい?」と確認されていたが、タイミングは知らされていなかった。「びっくりしました。ちょっと恥ずかしさもありながら、打席に向かった感じ」

 リズミカルなメロディーに一瞬、戸惑ったが、頭の中は冷静だった。この日、自己最速の164キロを計測した相手エースに対し「まず真っすぐを打たないと話にならない。完全に割り切って、フォークは空振ってもいいやという気持ち」と狙い球を絞った。カウント2-2から外角低めの158キロに食らいつき、殊勲の一打をマーク。「(曲に)背中一つ押してもらえたかなと思います」と感謝した。

3戦連続で次世代の中軸起用「意気に感じて頑張りたい」

 3試合続けて、清宮、野村とともにクリーンアップで先発起用された。「やっぱり年も近いですし、ファームでもよくそういう打順で使ってもらったりしていた。改めて1軍でそういう並びというのは、やっぱりうれしいし、意気に感じて本当に頑張りたい」。入団後から切磋琢磨してきた同世代の仲間と打線の中軸を担うことに、大きな喜びを感じている。

 8日の試合前にはビッグボスの計らいで、西武・山川と対面。本塁打王のタイトルを2度獲得しているスラッガーからアドバイスをもらった。「他の人より優れている部分と、頑張っても追いつけない部分が僕の中ではっきりした。ヒットを打つのは、僕よりうまい人はいっぱいいる。とにかく前で(捉えて)、強い打球をいいポイントで打とうという、それだけで練習も試合もやっています」。長い手足を生かした長打、本塁打に、野球人生を懸ける覚悟が固まった。

 完封勝利の伊藤とともに上がったお立ち台では「もちろんチームは諦めていないですし、僕自身もまだまだこれから」と力を込めた。万波が秘めたポテンシャルを開花させれば、上位進出も夢じゃない。

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