ファイターズ
2022/05/07 23:20

上沢「泣きそう。マジで」 今季7度目先発で待望の白星

試合終了後、上沢(右)を称える新庄監督

■日本ハム3ー2西武(7日、ベルーナドーム)

 待ってました! 日本ハムの上沢直之投手(28)が7日、敵地で西武戦に先発登板し、7回4安打2失点で、うれしい今季初勝利。チームの連敗も「4」で止めた。三回に自らの暴投で先制点を献上。四回には中村剛也内野手(38)に2号ソロを浴びるなど、五回まで毎回、出塁を許したが、粘りを見せた。味方が逆転した後の六、七回は3者凡退でねじ伏せ、リリーフ陣にバトンを渡した。

「ここ数年で一番うれしい」

 シーズン開幕から1カ月ちょっと。結果が出ない長く苦しい時間を乗り越えて、エース上沢が待望の白星をつかんだ。7回2失点と力投したヒーローは開口一番、「泣きそうです」とポツリ。「泣きそう。マジで。ここ数年で一番うれしいです」と安堵感を漂わせた。

 今季7度目の先発マウンド。三回に暴投、四回には中村の中越えソロと立て続けに2点を失ったが、野手がもり立ててくれた。五回に女房役の宇佐見が反撃の右越えソロ。続く六回には野村の適時打などで2点を挙げ、逆転に成功した。

 1点リードとなったその裏は「本当に命懸けて抑えにいきました」と、4番の山川、続く中村ら中軸を3者凡退に仕留めて雄たけびをあげた。続投を志願した七回も3人できっちり締め、うれしい今季初勝利をたぐり寄せた。

愛妻の提案でパワースポットへ

 開幕から自身4連敗。「マジでつらかった」という時、支えてくれる人がいた。前回登板した4月30日のロッテ戦(ZOZOマリン)で、5回5失点と背信投球。失意のまま自宅のある札幌に戻ると、奥さんが「ちょっとパワースポット行こうか」と提案してくれた。

 2歳のまな娘を連れ、花見を兼ねて北海道神宮を参拝。普段、神頼みをすることはないというが「そのくらいやられていました。そこにすがってでも、何とかして良い結果がほしかった」と手を合わせた。

 道内屈指のパワースポットで御利益を得て、きょう8日の「母の日」を前に勝利球をゲット。長女の母でもある夫人へのプレゼントを手にし「多分、待っていたと思う。子どもにも早く見せてあげたい」とはにかんだ。

 SNSで送られてくるファンからの言葉も励みになった。「絶対いつか報われる」、「信じて応援しているので頑張ってください」などメッセージが届いた。「マジで泣きそうになりました。そういう人たちを早く喜ばせてあげたい。改めてファンのありがたさを実感しました」と感謝した。

 チームの連敗を「4」でストップ。試合後、上沢がロッカールームに戻ると、野手陣はプロ初勝利を挙げた時のように祝福してくれたという。

 「本当に迷惑かけたなと思いますけど、ここからまだまだもっともっと勝って、早く借金を返していきたいです」。エースの1勝は、チームにとっても大きな1勝だ。

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