ファイターズ
2022/05/05 23:25

清宮がプロ入り初の2打席連発「おかげさま弾」で進化の兆し

感謝の「おかげさま弾」!二回と四回に本塁打を放った清宮は、自身初の1試合2発に喜びを爆発させた(撮影・松本奈央)

■日本ハム4-8楽天(5日、札幌ドーム)

 今季3度目の同一カード3連敗も光明あった―。日本ハムの清宮幸太郎内野手(22)が5日、自身初となる1試合2本塁打を記録した。楽天の好投手・岸孝之(37)から2打席連続で右翼席に運ぶ大アーチを放った。試合は先発の伊藤大海投手(24)が六回途中6失点(自責4)で降板するなど4―8で逆転負けしたが、苦しんできた若き大砲が進化の兆しを見せた。

二回に右手一本で3号、四回には豪快4号も出た!

 皆に感謝の「おかげさま弾」―。二回の第1打席、楽天の岸が投じた143キロ直球を右手一本で右翼席に突き刺すと、続く四回の第2打席でも豪快な一発を放った。

 カウント3―1から内寄りの直球を振り抜くと、きれいな放物線を描きながら右翼席中段に着弾。こどもの日にマークした3、4号には清宮も「一番いい日に打てたんじゃないですか」と喜んだ。

 連日の鍛錬が実を結びつつある。「いつも稲葉さん(GM)や誠さん(金子コーチ)が試合後もずっと付き合ってくださって(打撃練習を)やっているので、本当に少しずつ実になっているかなと思います」と感謝の意を示した。

支えてくれた先輩、コーチ、友人に感謝のアーチ

 〝大明神パワー〟も授かっていた。前日4日の練習中、近藤が右内腹斜筋肉離れを発症させ、長期離脱となった。この日、隣のロッカーで荷物整理をしていた近藤に香水をかけられたという。

 「『これで行け』って。(ロッカーに)帰ったら(香水が)置いてあったっす。匂い? めっちゃいいです。そりゃ近藤さんですもん!」

 春季キャンプ中には、思うような打撃ができず、自ら近藤に助言を求めにいった。それまでは腕でバットを走らせようとしていたが、体幹でバットを振る意識を説かれた。「(打球が)飛ばない理由が分かった。あとはコンさん(近藤)の感覚をどう自分の感覚に落とし込むか。言っていることは把握できた」と、約2時間に及んだ〝近藤塾〟で確実に前に進んでいた。

 さらに、同じ年の友人からもヒントを得た。近頃、出力不足を感じていた清宮は、ラグビー・リーグワン1部の浦安で活躍するSH飯沼に「普段どんなトレーニングしてる?」と連絡したところ、「コアとかクリーンとかをよくやるよ」と体幹や瞬発力を重視したトレーニングをしている情報をゲットし、実践していた。

 「きょうは近藤さんと飯沼君、あと稲葉さんと金子さん。あとはこどもの日だったので子どもたち、ファンのみなさんのおかげ。たくさんありますね、恵まれています。(2本塁打は)『おかげさま弾』で」

 この恩は結果で返すしかない。黄金週間最終日に架けた2本のアーチには、たくさんの夢が詰まっていた。

あわせて読みたい