ファイターズ
2022/04/19 23:45

ビッグボス初3連勝!「カドックス。安心感バリバリ」 完封勝利の加藤を絶賛

試合終了直後、コーチ陣とグータッチを交わす新庄監督

■日本ハム2-0楽天(19日、楽天生命パーク)

100球未満の完封勝利〝マダックス〟もじり

 90球完封の離れ業をやってのけたヒーローよりも、無邪気に喜んでいた。自身初の3連勝を飾った試合後、ビッグボスは「カドックス。安心感バリバリありました。素晴らしかった」と興奮気味に表現した。100球未満の完封勝利を指す〝マダックス〟をもじって、先発の加藤へ最大級の賛辞を贈った。

 メジャーで3年間、プレーした経験を持つ新庄監督は、サイ・ヤング賞を4度獲得しているグレッグ・マダックスの投球を引き合いに出した。この日の加藤の内容は、そんな大物投手にひけを取らなかった。「何が良かったかって、あのカーブ。バッターからすると、カーブってめちゃくちゃ見えるから、打てる気がして手を出したらゴロというパターン。マダックスも来たっと思ったらゴロばかり。頭にくる素晴らしいピッチャー」

 打たせて取る時短の超省エネ投球は痛快だった。7回を終えて56球。1イニング平均8球の驚異的なペースだった。9回完投のプロ野球最少投球数は、柴田英治(阪急)、植村義信(毎日)の71球。いずれも1950年代の出来事だ。

プロ野球記録は71球「次、狙わせます」

 誰も達成したことがない記録や快挙は、指揮官の大好物。「俺ね、いけと思ったんだ。佐々木君(ロッテ)がその記録(完全試合)なら、こっちは71球ぐらいで終われ―と」。野手の好守を引き出し、中継ぎ陣に休養を与え、チームの連勝を伸ばした。完全試合ほどのインパクトはなくても、緩急や駆け引きを活用した頭脳的な投球もプロの魅力がたっぷり詰まっている。頼もしい7年目左腕に期待し「プロ野球記録は71球? じゃあ70球だ。次、狙わせます」と笑った。

 開幕から5連敗を喫するなど、出だしでつまずき、1勝9敗でスタートしたが、最近6試合に限れば、5勝1敗。パ・リーグのライバルたちと対等に張り合っている。

 「上沢君(17日先発7回0封)も良かったでしょ。だんだんかみ合ってきて『そう、そう、それ、それ』となってきてる感じはある」。修羅場を経験しながら、しぶとく我慢して競った試合をものにする―。この日も機先を制して難敵の田中将から2点を奪い、野手の好守と投手の踏ん張りで逃げ切った。ボスが描くチームの輪郭が、少しずつ鮮明になってきた。

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