ファイターズ
2022/03/21 14:17

≪岩本勉のガン流F論≫新庄野球で勝利を求める「欲」が浸透

 新生日本ハムがオープン戦を8勝6敗2分けで終了。十分に“新庄イズム”が浸透した結果であり、開幕に向けていい弾みをつけたと感じる。

 強烈な「新庄剛志」のイメージが先行し、当初は手探り感が否めなかった。3年連続5位のチームはどう反応し、監督自身がいかに操縦していくかに注目したが、思いは杞憂(きゆう)だった。

 オーダーの決め方など、奇策とも言える場面が目立ったが、その裏で選手個々へのコミュニケーションや導きに時間をかけ、丁寧にこなした。次第に楽しく意気に感じてプレーする選手が結果を出した。さらにオープン戦中盤からは生き残りを懸け、「欲」が前面に押し出されてきた。

 19日の逆転劇、さらにこの日は理想的な勝利。四回に挙げた決勝点は二、三塁からのエンドラン。転がすのではなく、適時打で2点奪取のサインに、松本剛が犠飛という結果で応えた。監督が勝つポイントとして選手を信じて策を講じ、勝ち越し点を奪った。だが、勝利を絶対的なものにするには2点が欲しい。そんな「欲」がチーム全体に浸透している。

 ニュースタイル、ニューワールドの新庄野球。勝つ味を選手に覚えさせ、オープン戦を右肩上がりの2連勝で終えた。(本紙評論家)

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