ファイターズ
2022/03/15 15:16

投手転向2年目・姫野 ビッグボスからビッグチャンス 16日西武戦で支配下テス投

ビッグアピールで目指せ支配下登録! キャンプ中、新庄ビッグボス(右)が見守るブルペンで投球した姫野

 昨年5月に外野手から投手に転向した育成選手の日本ハム・姫野優也投手(24)が、ビッグボス指令の「適性テスト」に臨む。新庄剛志監督(50)たっての希望があり、あす16日の西武戦(ベルーナドーム)で先発し、1イニングを投げる予定。最速156キロを誇る右腕が、指揮官の前で好投を見せ、支配下契約を勝ち取る。

 支配下登録を目指す姫野に、ビッグチャンスが巡ってきた。オープン戦ながら、新庄監督の要望で初めて1軍の真っさらなマウンドに立つ見通しとなった。

 期待の高さがうかがえる起用だ。シーズン開幕まで2週間を切ったこの時期は、開幕ローテーションに入った投手が先発を務めるのが通例。武田投手コーチが、最速156キロ右腕を抜てきする意図を明かした。

 「ボスが試したいということなので。今どういう状態か見たいと思うんですよ。足の回復を含めて、どこまでバッター相手に投げられるのか間近で見たいんだと思います」

 オープナーのような起用で先発し、1イニングを投げる予定。武田コーチによれば「先発か抑えか中継ぎか、テストみたいな。早く1イニングを見て、どっちが合っているのか見たいんじゃないですか」と、指揮官が直々にチェックして適性を見極めるという。

 投球をこの目で見たい。ビッグボスをそう思わせるほど、無限の可能性を秘める逸材だ。2020年のオフに戦力外通告を受けて育成選手となり、昨年5月に投手へ転向。実戦初登板となった9月7日のイースタン・リーグ、巨人戦(鎌ケ谷)では、155キロを計測するなど衝撃デビューを飾った。

 春季キャンプは昨秋に右ふくらはぎを肉離れした影響もあり、沖縄・国頭での2軍スタート。最初のクールは大事を取って別メニューで調整したものの、2月末に打撃投手を務め、最速152キロをマーク。今月8日の教育リーグ、ロッテ戦(ロッテ浦和)で先発として1回を投げるなど、徐々に状態を上げている。

 さらなるパワーアップも図っている。キャンプ中には取材に訪れた元阪神の藤川球児氏に直接指導を受け、リリースポイントや下半身の使い方など助言を受けた。投球の幅を広げるため、フォーク、シンカーといった新球習得にも挑戦中だ。

 指揮官が課した先発テストを突破し、支配下入りを果たせば、逆転での開幕1軍入りも夢ではない。ポテンシャル十分の育成右腕が、新庄ビッグボスの〝秘密兵器〟となるか。

新庄ビッグボス 大胆起用で選手躍動

 既成概念に縛られない。新庄監督はキャンプ中の実戦から打順や守備位置など、大胆に選手を起用してきた。投手も同じ。先発、中継ぎ、抑えの役割にこだわらず、実績のない若手も抜てき。前任の栗山監督同様、リリーフを短いイニング限定で先発させるオープナーも試してきた。

 2月27日の広島戦は昨季、最優秀中継ぎ投手に輝いた左腕の堀が先発。1回無失点で降板し、試合の流れをつくった。今月6日の巨人戦では、球界を代表するセットアッパーの宮西がプロ15年目で“初先発”。同じく1回無失点に抑え、役割を果たしている。投手経験の少ない姫野が1軍の先発で力を発揮できるか、注目される。

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