「Ｆ ＦＥＳ２０２５」から一夜明け、山崎がエスコンフィールドでトレーニングを行っていた。表情は普段と変わらない。時折、サポートしてくれるスタッフと談笑しながら、汗を流していた。

　ファンに愛されてきた「さちとら」がいったん、離れ離れになる。絶大な信頼を寄せていた先輩の移籍。きっと心中は複雑だろう。練習上がりの山崎に声をかけると、時間がない中、足を止めてくれて「トレードは仕方ないといいますか、僕はなんともできないですし、寅威さんがいい方向で阪神に行って活躍してくれればと思っています」と願いを口にした。

　トレードが決まってから、互いに忙しく、じっくりと会話はできていないそう。お世話になった分、伝えたいこともあるようで「まだ深い話はできていないんですよ。これから会う機会はあるので、話をすると思います」と明かした。

　しばらくはバッテリーを組むことができない。当然、寂しさはあるはずだ。「オリックスから一緒にやってきたので、いろんな思いもありますけど、これからも寅威さんらしくやってほしいです」。２人にしか分からない感情があり、こちらはそれを察するしかない。来季、互いの戦場で輝き、笑顔で再会するシーンを見たい。