全国最後の夏の〝支部予選〟 札幌Aブロックは札幌光星が3年連続突破【南大会札幌】
札幌光星が今年で最後の札幌支部Aブロック代表旗を勝ち取った=撮影・西川薫
■全国高校野球選手権南北海道大会札幌支部予選(6月29日、札幌円山ほか)
▽Aブロック代表決定戦 札幌光星7-0札幌龍谷
※八回コールドゲーム
支部予選形式は全国でも南・北北海道大会のみ
昨夏の南大会4強の札幌光星が、八回コールドで3年連続19度目の南北海道大会出場を決めた。夏に支部予選と都道府県大会レベルの2段階方式を採用しているのは、現在は全国でも南・北北海道大会のみ。来夏から他の都府県同様、南北でそれぞれトーナメントを一本化するため、同校が最後の札幌支部Aブロックの代表旗を手に入れた。
試合後の表彰式で、片倉諒真中堅手(3年)が受け取った優勝旗には、歴代支部代表校の短冊が結びつけられている。昨夏もAブロック代表だった同校の合坂真吾監督(48)は「開会式で優勝旗を戻す時、Aブロックだったんだって(気付いた)。この旗にもう一度、最後に短冊を入れたいと、僕と部長はすごく思っていました。Aブロックの旗は昔からあるはずなので、それを獲ることができて、先輩方にも良い報告が報告できる」と、穏やか笑みを浮かべた。
三回から背番号18の渡辺がロング救援
春のエースが存在感を示した。三回からエース貞広煌晴投手(3年)に代わり、背番号18の渡辺大地投手(3年)が救援。「一回表から(肩を)作ってました。二回が終わって貞広が帰ってき時に、合坂監督から『次おまえで行くぞ』って。微妙に流れをつかみ切れていない感じがあったので、自分がなんとか流れを持ってこよう、と思って」マウンドへ向かった。

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六回まで4イニング無安打投球。七回2死から連打を浴びて、二、三塁までピンチを広げたが、最後は直球で遊飛に打ち取りピンチを逃れると、八回も無失点に抑え、公式戦最長となる6回無失点で貞広との0封リレーを完結させた。
エース貞広と2人で無失点継投 昨夏との違いは…
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昨夏は、エース粕谷脩真投手(独協大1年)の独壇場だったが、今年のチームは違う。合坂監督は「去年は1人が投げて、1人が崩れて大負けした。今年は団体戦という雰囲気で、俺がダメでもおまえが、みたいな。そういうのを感じながらやってくれている。去年ならまだ(貞広を)引っ張っていた。今年はスパッといけた」とうなずいた。渡辺も「貞広にも、堀田にも助けられている。自分がダメでも後ろがいる、と思えて、気が楽なのはありがたい。悔しい気持ちはありますが、番号が1番とか18番とか関係なく投げるだけ。自分の力は背番号で変わらない。そこは春よりも1試合ごとにレベルアップしていきたい」。投手陣一丸となって、勝利を目指す。
総勢1300人超えの大応援団 吹奏楽部も熱烈演奏
この日は中等部も含め6学年総勢1300人超えの大応援団が一塁側内野スタンドを埋め尽くした。昨夏の準決勝が行われたエスコンフィールド北海道でも、吹奏楽部による「アーメンハレルヤ」や「オー・シャンゼリゼ」など、独自の応援で選手を鼓舞した。合坂監督は「あの力があっての野球部。いろんな方にすごく楽しみにしていただいている。円山の職員に聞いたら『光星高校の全校応援はあるのか』という問い合わせが来るそうです。すごくありがたいですね」。球場全体の雰囲気も味方につける。
中等部含め6学年総勢1300人超えの札幌光星の大応援団
円山球場は来年から改修工事
老朽化が進んだ円山球場は、26年から2シーズンかけて改修工事に入るため、次に夏の大会が開催されるのは早くても3年後の予定だ。今年は南北海道大会は2回戦まで行われ、準決勝以降はエスコンに舞台を移す。改修工事期間の代替球場は、札幌麻生や今春オープンしたモエレ沼が想定されるが、鳴り物禁止や、アクセスが不便なことなどから「全校応援という文化が途切れてしまうと思うんです。エール交換だとか、あの雰囲気は残して、なんとか最後円山で残してつなぎたい」と、寂寞の思いを明かした。
「スタンドも含めて、みんなで甲子園に」
甲子園への第1ハードルは突破した。昨夏はエスコンで行われた準決勝で立命館慶祥に3-6で涙をのんだ。指揮官は「この1年、あと2つ勝つことをずっと追い求めてきてた。結論はやっぱり技。天然芝だとか、そういうことじゃなくて本当に技術。ダメなピッチャーがいてもカバーできるピッチャー陣がいれば、と考えてきた。あと二つ勝って、また(エスコンに)戻る」。準決勝はブルペン待機していた渡辺も「スタンドも含めて、みんなで甲子園に行きたい」。2段階方式最後の節目に、光り輝く星となる。