ファイターズ
2021/09/08 13:13

≪稲田のF眼 単刀直入≫ クレバーさが光った大海の投球

 やはり並のルーキーではありません。伊藤投手のクレバーさがより光った投球だったと感じました。対戦相手は同期で共にドラ1入団を果たした楽天・早川投手。お互いに意識するところは強かったと思いますが、軍配は伊藤投手に上がりました。

 カード頭を任された責任として、長いイニングを投げたいということを念頭においての登板。秀逸なのはピンチの場面で迷うことなくギアチェンジができるところ。球種は大きく分けて直球、スライダー、チェンジアップにフォーク。ただ、迎えた打者や状況によって同球種でも腕の振りやタイミングを変えるなど、効果的に投げ分けていました。ピンチになればなるほど冴えました。

 ゲームをつくり上げる能力はすでに屈指です。勝利数も9勝となり、2桁勝利は通過点。さらに新人王というタイトルも視野に入ってきました。貪欲に狙うことは大歓迎ですが、伊藤投手の「チームを勝たせる投球」というぶれない柱があれば、おのずと数字は積み上がっていくでしょう。

 6連戦の初戦を制した伊藤投手は、きょう先発する上沢投手にも大きな刺激となります。エースにも好影響を及ぼすルーキーは、やはりただ者ではないと感じます。(本紙評論家)

 

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