【勝利の裏側】山本拓実 初めて感じたマウンドでの恐怖 「これ、決めるわ」と予感した郡司のサヨナラ打
5月31日のロッテ戦で九回を無失点に抑えた山本拓
劇的勝利を呼び込む無失点投球
日本ハムの山本拓実投手(25)が5月31日のロッテ戦(エスコンフィールド)で今季2勝目を挙げた。2点ビハインドの九回にマウンドへ上がり、ピンチを招いたものの無失点。その裏、味方が3点を入れ、逆転サヨナラ勝ちを決めた。
劇打を放ったのは、おととし6月に中日から共にトレードで加入した郡司。1日の練習前、取材に応じた山本拓は「きのうに関しては郡司さんのおかげです」と感謝した。
今季も持ってる強烈な勝ち運
やまーんが投げれば、チームが勝つ。昨季リリーフで6勝を挙げた〝勝ち運〟をまたしても発揮した。5月10日の楽天戦でも、2点を追う五回に登板。その裏チームが逆転し、今季初勝利を手にしていた。
今回も勝利を引き寄せ「流れが変わったら嫌なので、それ(勝ち運)を出さないようにしたいです」と照れた。

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雪辱のマウンドで役割遂行
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山本拓にとって、特別なマウンドだった。延長十二回にサヨナラ打を浴びた5月18日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来の登板だった。
「久々ですし、サヨナラやられた後ですし、同じ相手ですし…。ビハインドといえども、同じ相手だし、サヨナラであっという間にやられた相手。結構、思うところがありました。きのう、乗り越えたのは大きかったですね」
九回を無失点に抑え、安堵の表情を見せる山本拓
初めて味わう「怖さ」を克服
先頭打者を四球で歩かせ、エラーなどで2死一、三塁のピンチを背負った。「やばいと思いながらも、投げられたのは良かったです。打たれそうな気持ちがマウンドでも、行く前も出まくっていた。初めてマウンド行く前に、怖い、行きたくないと思った。マウンドで出てくる不安と戦いながら、できたので良かったです」。
無失点で切り抜けると、「珍しく」感情をあらわにした。「あまりマウンドでビビるとかなかったけれど、ビビりながら投げていました。精神的に成長できました」と振り返った。
殊勲打を確信 準備万端で歓喜の輪へ
投球後のリカバリーを終え、ベンチに戻ってくると、同点に追い付き、2死二塁のチャンスで郡司が打席に立っていた。「これ、決めるわ」。サヨナラ打を確信し、すぐ飛び出せるように待機した。
「郡司さんもヒーローインタビューで言っていましたけど、僕も郡司さんに回った時に、また決めるんだろうなと思っていた」。スタートダッシュに成功し、歓喜の輪に駆け寄った。
劇的な一打を放ち、郡司を祝福する山本拓(左から2人目)
ヒーローからの愛あるイジり
試合後、ヒーローとはこんなやりとりがあった。
「おまえが勝利投手っていうのはムカつくな、と。話のネタになるからいいけど、また、おまえがこれで勝ち投手かって」。この日も取材中に通りかかった郡司が「うえーい。泣き虫~」とイジり、「泣き虫じゃないです。泣いていないです」と慌てて訂正するシーンもあった。
今やチームの核をなす〝ゆうやまーん〟
前日31日は、FAVメンバー来場プレゼントとして「推しペアオリジナルクッション」が配布された日でもあった。10組の推しペアがデザインされたクッションがランダムで配られ、その中には〝ゆうやまーん〟もあった。
「奥さんも見に来ていて、奥さんもたまたま僕らだった。自分の家に僕と郡司さんが載っているクッションが置いてあります」。これからも仲良しコンビでチームをもり立てていく。
