高木駿が全体練習に部分合流 「リハビリの時間を無駄にしないように」正守護神獲り再挑戦
全体練習に部分合流したGK高木駿=撮影・宮西雄太郎
■5月21日、札幌・白旗山競技場
北海道コンサドーレ札幌のGK高木駿(35)が21日、札幌市内で行われた全体練習に部分合流した。高木は2次キャンプ地の熊本入り後に腰を痛め、3月中旬に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けていた。また5日の練習で左ハムストリングスを負傷したMF林田友兜(19)も全体練習に合流し、フルメニューを消化。誕生日を翌日に控えた2人が、そろってピッチへ戻って来た。
左太もも裏痛めた林田も合流
その表情には、やる気と充実感がみなぎっている。約3カ月ぶりのチーム練習を終えると、開口一番に「キャンプ以来でしたけど、みんなと久々にサッカーをやると楽しい。ここからリバウンドがないように調整して、どんどんコンディションを上げていきたい」と相好を崩した。
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何度試練が訪れても、前だけを見据えてきた。2023年夏に完全移籍した高木は、加入後すぐにポジションを勝ち取りリーグ戦9試合に出場。札幌でのサッカー生活は順風満帆とみられたが、まさかの悪夢に見舞われた。正守護神の座を射止めていた昨季、福岡との開幕戦を翌日に控えた2月23日のトレーニング中に左膝を負傷。前十字靱帯再建手術を余儀なくされ、シーズンを棒に振った。

腰椎椎間板ヘルニアの手術へてリハビリの日々
完全復活を期した今季も、キャンプで腰部のヘルニアを発症し長期離脱を強いられた。それでも苦しいリハビリの日々を、いつだって笑顔を絶やさず、ポジティブ思考を貫いた。
「ずっと試合を外から見ていたので…」
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「メンタル的にへこんだりしないタイプ。リハビリしているときは自分に足りない部分、やらなければいけないこと、復帰したときのことばかり考えていた。ずっと試合を外から見ていたので、頭がすっきりしている。ピッチに入ったら景色が変わるけど、外で見て感じたことをプレーで出したい。リハビリの時間を無駄にしないように」
J1昇格を目指す今季、チームは開幕から苦しみ低空飛行を続けた。クラブが抱える課題を客観的に見守ってきた高木は、低迷の要因を独自の視点で分析する。

「もともとボールを持とうとするチームなので、自分たちで能動的にアクションしないといけない。攻撃でリズムを作るためには、一人一人の持ち方やボールの回し方に工夫が必要。うまくいかない空気が蔓延しているけど、自分たちで意図してボールを運んで前に運べば、奪われた瞬間の守備も早く切り替えられる」
5月22日は誕生日が渋滞
積極的にビルドアップへ参加する自身のプレースタイルは、課題解決を目指すチームに1つの答えを提示できる。「自分が入ったら何ができるかを考えて、ずっと見ていました」。頼れる男のカムバックが、札幌に上昇気流をもたらす。
全体練習に合流したこの日は、くしくも誕生日の前日だった。まもなく36歳を迎える高木は、少しだけ照れくさそうに記念日前の心境を口にした。「(長男の)翼くんが同じ誕生日なんですよ。この年になると、自分の誕生日よりも子供たちの誕生日の方がうれしかったりする。だから明日は、ほぼ息子の誕生日。僕はおまけです」。一家を支える大黒柱は、ピッチの上で主役になる。
■全体練習に合流しフルメニューを消化した林田
「(高木)駿くんもリハビリを一緒にやっていたので(同日に復帰できて)うれしい。ケガをしたときにスゲさん(菅野)が『焦らずに』と言ってくれた。ずっと慣れない環境でやってきたので、いったん落ち着いてチームや自分の状況を外から見ることができたので良かったかな。(22日に)全然実感が湧かないけど、二十歳になるのでより一層の自覚を持ちたい。2節後ぐらいから試合に出ることを狙いたい」
全体練習に完全合流したMF林田