松浦慶斗 今季初先発で3回0封 同年代の仲間やかつての相棒がいる1軍舞台を目指す
今季初先発で3回を無失点に抑えた松浦=撮影・工藤友揮
■イースタン・リーグ8回戦 楽天6-7日本ハム(5月17日、函館・オーシャンスタジアム)
道南の港町で一発快投!
日本ハムの松浦慶斗投手(21)が今季初の先発登板で3回を1安打無失点に抑える好投を披露した。
鎌ケ谷で切磋琢磨してきた仲間たち、そして高校時代の相棒が活躍する1軍の舞台に、自らも歩みを進めるべく、アピールを続けていく。
付け入る隙を与えない立ち上がり
今季2軍戦10試合目の登板で、初めて先発のマウンドに上がった。
「3イニングと決まっていたので。先発だからといって余裕を持ってフワッと入るんじゃなくて、中継ぎで行ったような感じで投げてくれ、と金子コーチから言われていました」。楽天打線を相手に、一回を2三振を含む3者凡退。エンジン全開の投球でスタートを切った。

ピンチにも動じず 「自分の球を投げれば抑えられる」
二回には四球にエラー、自身のボークと、ノーヒットで2死二、三塁のピンチを招いた。それでも「不運があってああいう形になりましたけど、普通に投げれば、自分の球を投げれば抑えられるという気持ちで投げました」。自らを信じて投じた150キロのストレートで8番の石原を一ゴロに打ち取り、ピンチを脱した。
終わってみれば、3回をバントヒットの1安打のみ。外野に打球を飛ばすことさえ許さなかった力強い投球を函館のファンに見せつけた。「3イニングという短いイニングでしたけど、そこでしっかり投げ切れたというのは、良い収穫だなと思います」と、手応えをつかんだ。
地に足を着けて確実に成長中
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プロ4年目の今季は、キャンプ中盤から1軍に合流。オープン戦にも登板したが、開幕1軍の切符を手にすることはできなかった。最近では同じく2軍スタートだった達や細野、柳川など、同年代の投手が、1軍での登板機会で結果を残している。
その勇姿に刺激を受ける一方、「まずやることをやって、自分のピッチングをしっかり毎試合、積み重ねていくというのが(1軍昇格への)一番の近道なのかなと」と、きっぱり。必要以上に焦りを感じることなく、地道に自分の仕事を果たしていこうという姿勢を貫いている。

DeNAの若き扇の要からも刺激
そしてチームメート以外にも、影響を受けている存在がいる。大阪桐蔭高の1年後輩で、バッテリーを組んでいた現DeNAの松尾汐恩捕手(20)だ。今季は開幕から1軍に帯同し、強打と強肩を武器に出場機会を増やしつつある。
「キャッチャーとして1軍で出られるというのはすごいことだと思うので。僕も負けじと頑張りたいなと思います」
チームの勝利へ粉骨砕身
この日は先発として登板したが、一番大事にしているのは、自身の役割以上に、チームに貢献することだ。
「1軍で投げて、チームの優勝、日本一に貢献したいので。先発でこのまま長いイニングを投げて、上でチャンスをいただけるなら、それでも良いですし、中継ぎでチャンスをいただけるなら、それでも良いですし。できることで、チームの日本一、優勝の力になれたらなと思っています」。ひと足先に上の舞台で戦うチームメートや後輩に、早く肩を並べるべく、その左腕を振り続けていく。
