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2025/05/01 21:40 NEW

古林睿煬を支える通訳・高麗諒さんは高校のチームメート  学生時代から続く2人の〝友情物語〟

来日初勝利のヒーローインタビューで笑顔を見せる古林(中央)と高麗通訳(右)=撮影・桜田史宏

■パ・リーグ5回戦 日本ハム3―2ソフトバンク(5月1日、みずほペイペイドーム)

異国の地で新たなスタートを切った豪腕

 日本ハムの古林睿煬投手(24)が来日2度目の先発マウンドに上がり、7回5安打2失点で10奪三振と好投。うれしい初勝利を手にした。

 昨季、台湾プロ野球でMVPに輝いた新加入の右腕にとって、慣れない異国の地での生活。サポート役を務めているのが、高校時代のチームメートで通訳の高麗(こま)諒さん(25)だ。10年近い付き合いになる2人の間には、熱い友情物語があった。

2人の出会いは高校の野球部

 出会いは、桃園市立平鎮高級中学。同校は野球の強豪として知られ、多くのプロ選手を輩出している。

 東京・八王子市生まれの高麗さんは「父親が(日本と)台湾と行ったり来たりする仕事だった。海外に行ってみたら面白いんじゃないか」。身近な存在だった台湾へ野球留学することを決意し、古林と高校3年間を共に過ごした。

入学時からモノが違った右腕 「ちょっと違う雰囲気だった」

 野球部は1学年20~30人ほど。「みんなすごいんですけど、グーリンはちょっと違う雰囲気だったかなと思います。ピッチャーとしてエースとして。最初はけがで出ていなかったんですけど、2年生の頃には右のエースみたいな感じで試合に出ていました」

高麗さんを温かく迎えてくれたチームメートたち

 一方、高麗さんは入学当時、中国語は「ほとんどしゃべれませんでした」。ポジションは主に一塁手と外野手で「彼らと同じレベルでできるような感じではなかった」と振り返る。

 そんな日々を支えてくれたのが、野球部の仲間たちだった。「みんないろんな言葉を教えてくれた」と感謝する。

「さりげなく優しいタイプ」の古林

 「グーリンはフランクに声をかけてくるタイプではないけど、さりげなく優しいタイプ。友達として、席が近かった時期もある。後ろの席だったり。家に泊まりに来たりとか」。高麗さんの父が滞在していた部屋に遊びに来て、一緒にゲームをすることもあった。

帰国の際に受け取ったプレゼントは今も宝物

 高校卒業時には、日本に帰国する高麗さんへ、古林がサプライズプレゼントを用意してくれた。

 「みんなに呼びかけて、グーリンのチャイニーズタイペイのユニホームに全員分のサインを書いてくれて。うれしかったです。今も実家に置いてあります」。いつもは控えめな右腕の気遣いに感激した。

高校時代のチームメートから寄せられたサインが書かれた台湾代表ユニホーム=高麗通訳のインスタグラムから

 

ある日、交わした約束とは…

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