3年連続開幕完封狙う菅野孝憲「全世界のキーパーはゼロを求められる。僕もそこに、こだわりたい」
精度の高いキックを披露するGK菅野。チーム最年長の守護神が今季も札幌のゴールを守る=撮影・宮西雄太郎
【コンサドーレ熊本キャンプ】
■2月9日、熊本・大津町運動公園球技場
北海道コンサドーレ札幌のGK菅野孝憲(40)が9日、2次キャンプ地の熊本・大津町で開幕へ向けて調整を行った。不惑を過ぎて迎えるプロ23年目のシーズン。北の守護神は、衰えぬ情熱と円熟味を増した技術を携えて、クラブをJ1復帰へ導く。
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今季も正GKの最有力候補
誰よりも早くピッチに姿を現し、入念なウォーミングアップを施す。全体練習後も1人黙々とバイクをこぎ、1番最後に練習場を後にする。札幌のゴールマウスを守る男は今季も、ストイックな習慣と徹底した自己管理を貫き、最後方からチームを支える。
昨季はリーグ戦35試合に出場。新体制となった2025年シーズンも正GKの最有力候補として期待されるが、心には常に危機感を抱いている。
「毎試合、良い選手が試合に出ているので(レギュラーは)分からない。緊張感を持ちながら練習ができているし、どんな状態になろうと、勝利のために自分の仕事に集中したい」

良いサッカーをすることは大事だけど きれい事だけでは結果が出ない世界
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J2での戦いはクラブにとって9年ぶりで、自らは京都に在籍した2017年以来の舞台となる。理想論だけでは勝ちきれない。百戦錬磨のベテランはカテゴリー特有の難しさを説き、一戦一戦に全力を注ぐ構えだ。
「いろいろなスタイルのチームがあって(相手が)守備優先のゲームになれば、じれたり隙を見せたら負けてしまう。水を撒かないことでボールが走らないピッチも多くなるだろうし、僕らのようにつなぐチームはパスをさらわれて失点するシーンをよく見る。良いサッカーをすることは大事だけど、割り切らないといけない展開もある。きれい事だけでは結果が出ない世界なので」
全員が迷いのないプレー
攻撃は最大の防御を地で行く昨季までのミシャサッカーに、今季は岩政監督流の新たな色が加わった。完全非公開だった3日の対外試合を除くプレシーズンマッチ5試合の総失点は、わずか5点。ゲームを重ねるたびに安定感を増す守備陣に、菅野は大きな手応えを感じ取っている。
「(戦術は)大きく変わってないけど、監督からはキーパーに限らずビルドアップをよりシンプルに、効率よくやってほしいと言われている。一人一人が迷いなくプレーできているのは、すごく良いこと。今がピークではないと思っているし、終盤にかけて完成度を上げていきたい」

敵地3連戦も完封勝利を狙っていく
昨季は開幕直前にGK高木が左足を負傷。緊急的に巡ってきたスタメン機会で躍動し、2年連続のクリーンシートを達成した。敵地での3連戦から始まる今シーズンも当然、狙うのは完封劇だ。
「どんな監督もキーパーに求めるのはゼロで抑えること。FWがゴールを求められるのと一緒で、全世界のチームのキーパーはゼロを求められる。僕もそこに、こだわりたい」。闘志みなぎる守りの要が、クラブ浮沈の鍵を握る。
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