J2の来季はクラブ一丸で決意を持って戦わなければ 岩政監督に期待することは…《河合CRC竜の眼》
1桁順位を目指したが無念のJ2降格
前回のコラムでも少し触れたが、今回は改めて北海道コンサドーレ札幌の今シーズンについて振り返っていきたい。札幌は9勝10分19敗、勝ち点37の19位でJ2降格という結果に終わった。シーズンスタート時には1桁順位を目標に掲げていたが、その思惑とは異なる結果となってしまい、本当に悔しいし、申し訳なく思っている。
選手たちは1年を通して一生懸命プレーしてくれたが、一生懸命やっただけで勝てる甘い世界ではない。正直、クラブとしてもどこか甘さがあったと思っている。降格という結果はもう覆すことができないので、ここで落ちたことをきっかけに、戦う集団になっていかなければいけないと思っている。
痛かった第2節からの5連敗
シーズンを振り返ると、第2節からの5連敗が非常に痛かった。序盤戦で白星を得ることができず、大きく出遅れてしまったことが、最終結果にも響いた格好だ。また3点リードを追い付かれた4月のホーム湘南戦や、後半アディショナルタイムに逆転を許した10月のアウェーG大阪戦など、勝負弱さが露呈した試合があったことも、要因のひとつだろう。
苦しんだ序盤戦とは対照的に、夏の中断明け以降は勝ち点を伸ばすことができた。途中補強した計7人の新加入選手が全てチームにマッチしていたかというと、決してそうとは言い切れないが、前半戦に比べて守備面で安定感が出たという点では、DF大﨑とDFパクミンギュの存在感は大きかった。
チームを上昇気流に乗せた大﨑の存在感
特に大﨑がもたらしたものは大きく、チームが低迷していた時期はボールが落ち着かなかったし、守備の面でも簡単にやられてしまう場面が多かったが、大﨑が加わったことによってボールが落ち着き、時間をつくれるようになり、縦パスのスイッチも入れられるようになった。加入前のブランクの影響もあってか、終盤戦はやや体力的にきつそうな場面も見受けられたが、加入直後に見せた存在感は、チームを上昇気流に乗せてくれるものだった。
低迷の一因にはケガ人の多さも挙げられるが、正直なところ毎年同じような状況が続いている。そのあたりはプロとして選手自身もケアしなければいけないし、トレーナーもケガを繰り返さないように対策する必要があると思う。
サポーターのために何ができるか
フロントとしてもJ2を経験していない人が多く、不安な点もあるが、応援してくれるファン、サポーターのために何ができるかを考えて、クラブ一丸となってやっていかなければいけないシーズンとなる。決意を持って、次の1年間を戦っていかなければならない。
12日、来季の新監督として岩政大樹監督が就任することが発表された。私自身としては、ミシャイズムを継承するにあたり、今季のコーチングスタッフから内部昇格するのではと想像していたので、この人選に少々驚いたのが正直なところだ。