ファイターズ
2021/12/13 13:28

新庄BIGBOSS 師・野村さんと最後の”キャッチボール”

形見のジャケット着用で別れ 野村イズムの継承誓った

野村さんを師と仰いでいた新庄監督は献花台でほほえむ野村さんの遺影に花を優しく投げ入れる

■神宮でしのぶ会に参列

 野村監督、見ててください―。日本ハムのビッグボス・新庄剛志監督(49)が11日、都内の明治神宮球場で行われた野村克也氏(享年84)をしのぶ会に参列し、野村イズムの継承、発展を誓った。阪神での現役時代に野村監督のもとで2年間プレーし、今も深い師弟の絆で結ばれている。来季からは自らも監督としてチームを率いる。“野村の考え”に“ビッグボスの流儀”を掛け合わせ、天国の恩師もあっと驚くおもしろいチームをつくりあげる。

遺影に投げ入れ「野村さんに受けてもらいたかった」

 ビッグボス流の弔いだった。参列者が次々、献花台に花を置いていく中、台の奥に掛けられた遺影に向かって、思いを込めて“投花”した。
 「受け取ってくださいと。二刀流もやっていたから、花を投げて。(捕手だった)野村さんに受けてもらいたかった」。
 身にまとった黒のタートルネックとグレーのジャケットは、生前に野村監督が愛用した遺品。何度も着用した姿を見ていたビッグボスは「どうしてもこの会で着たい」と息子の克則氏に頼んで譲り受けた。
 サイズ直しはしたが、あえてクリーニングはしなかった。「匂いもまだちょっと残っている。野村さんと食事をした時、子どもみたいにこぼすんですよ。中華がまだついていて、これも思い出」と懐かしそうに笑みを浮かべた。
 今後も「連敗が続いたとき、ちょっと気分転換にこの洋服を着て球場に行けたらうれしい」。大事な場面で“共闘”するつもりだ。
 受け継ぐのは服だけではない。来季からは監督として、野村イズムを継承していく。「教えてもらった『野村の考え』を、ものすごく今、インプットしている」。新庄新監督にとって、野村監督は一番の教科書だ。
 しかし、まねをするだけではビッグボスの名が廃る。「新庄剛志らしく、教えてもらったことをやりつつ、自分の考えを持って新しい監督像をつくって、いいシーズンでしたと報告したい」。野村×新庄で、チームに化学反応を起こす狙いだ。
 「僕が監督になったと聞いたら、びっくりするでしょうね。でも『逆におもしろい。ワシの考えプラスおまえの宇宙人的な考えがミックスされたら、おもしろいチームになるんじゃないか』と言ってくれると思います」。ビッグボスは冬の青空の下、想像を巡らせた。ファンの歓声が空まで響くような、楽しい野球を届けてみせる。(近藤裕介)

あわせて読みたい