「絶対に諦めてはいけない」札幌FW鈴木武蔵がルヴァン杯準々決勝第2戦で5点差大逆転狙う
■9月6日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は8日のルヴァン杯準々決勝第2戦ホーム横浜M戦(プレド)に向け、ボール回しなどで調整を行った。5点差という重いビハインドを背負う中で、準決勝進出には大量点が必要となる第2戦。勝負のカギを握るエースストライカー・FW鈴木武蔵(30)は諦めることなく最後まで札幌の攻撃サッカーを貫き、歴史に残る大逆転劇を演じる構えだ。
第1戦は1-6大敗
4日にアウェーで行われた第1戦で1-6と大敗を喫し、第2戦では90分間終了時点で、最低でも横浜Mに5点差を付けていないと準々決勝敗退が決定するという崖っぷちに追い込まれた。
「慌ててもゴールは入らない」
少しでも早く差を詰めるために試合開始直後から前掛かりになって攻め急ぎたくなるところではあるが、鈴木は「慌ててもゴールは入らないので、しっかりと繋ぎながら、この前みたいに背後を取ったり、奪った後のショートカウンターだったりを意識して、いつも通りやっていけたら」と、冷静に〝いつも通り〟のサッカーを貫くことを強調する。
ホームで決めきれば雰囲気変わる
「(第1戦も)前半に4、5回ビッグチャンスがあったので、ホームでそれが入れば雰囲気も変わってくるし『行けるんじゃないか』というムードもできる。そのムードをできるだけ早くつくれたらいい」と、大逆転へのシナリオを頭の中に思い描く。
「5点差を縮めるために突っ走って、結果が出たら…」
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そのシナリオの1ページ目に書き込まれることが期待されるのが鈴木のゴールだ。「ホームで連勝、プラス、連続ゴールを狙いたい。最悪(ルヴァン杯を)突破できなくても、最低限ホームで勝つ、そしてゴールを決めることができれば、次のリーグ戦にもつながる。5点差を縮めるために突っ走って、それで結果が出たらいいし、出なくてもホームで勝利するということがすごく大事」。1日のホーム川崎戦(2〇0)に続く出場2戦連続ゴールで勝利に導き、J1残留が懸かる次節のホーム東京V戦にも良い流れをたぐり寄せようともくろんでいる。
8月以降のホーム戦は2勝1分
リーグ戦中断明けからクラブはパートナー企業各社の協賛による「絶対J1残留! 大応援」招待企画を実施しており、8月以降のホーム3試合は平均約2万1000人という多くの入場者が訪れた。大観衆がつくり出す熱い雰囲気に後押しされ、その間は2勝1分と無敗だった。
自分たちも雰囲気づくりしていく
いずれも先発して2得点を挙げている鈴木は「この前のホームゲームもたくさんの人が来てくれて、すごく良い雰囲気でできている。この雰囲気を大事にして、ホームの残りの試合で自分たちも絶対に勝ち点3を取れるような雰囲気づくりをしていきたいし、サポーターの皆さんにもスタジアムの雰囲気をつくってくれたらうれしい」と、残り試合でのさらなる共闘を呼びかける。
〝カンプ・ノウの奇跡〟超えに挑戦
その機運をより高めるためにも重要なプレドでの一戦。たとえ5点差でも可能性がないわけではない。鈴木は2017年3月のUEFAチャンピオンズリーグで、バルセロナがパリ・サンジェルマンに第1戦で0-4で敗れながらも、第2戦に6-1で勝利して準々決勝進出を決め、〝カンプ・ノウの奇跡〟と言われた歴史的な大逆転劇をイメージしていた。
サッカーは何が起こるか分からない
「チャレンジする価値はあるし、サッカーは90分間で何が起こるか分からないので、絶対に諦めてはいけない。これをひっくり返したら、本当に歴史に刻まれるような試合になると思うので、そこを目指してやっていきたい」。5点差をはね返す〝バルサ超え〟を達成し、プレドの奇跡をもたらすことができるのか。札幌が大きな歴史的チャレンジへと立ち向かう。