ファイターズ
2024/01/19 21:05

【一問一答】レイズとマイナー契約の上沢「あらためて僕はファイターズが大好きだと感じました」

記者会見に臨んだ上沢(撮影・井上浩明)

 日本ハムからポスティングシステムを利用してレイズとマイナー契約を結んだ上沢直之投手(29)が19日、エスコンフィールド北海道で記者会見を行った。長くチームを支えた右腕は、周囲への感謝と新たな挑戦への思いを熱く語り、海の向こうへ旅立つ決意を表明した。会見には栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO、62)が同席。ドラフト同期の松本剛外野手(30)もサプライズで登場し、花束を贈呈した。一問一答は以下の通り。

ー冒頭あいさつ
「このたびは僕のためにお集まりいただき、ありがとうございます。タンパベイ・レイズに正式入団することが決まりました。ファイターズで過ごした12年間の日々で、思い出が数え切れないぐらいあります。ファイターズに入団できて本当に良かったと思っています。周りの方、ファンの方、球団関係者の皆さま。僕は本当に人に恵まれた野球人生だったと思います。これから国は変わり、チームも変わりますが、ファイターズで学んだことの全てを生かして米国の地へ向かいたいと思います」

ー今の気持ちは
「早く皆さんへ、こういう場で正式にお話したいと思っていたので、少しホッとした気持ちはあります。僕は向こうに行ってから、キャンプイン初日から勝負しないといけない立場。すごく張り詰めている、気が張っている状態です」

栗山英樹CBO(左)が同席し、レイズへの移籍会見をする上沢



ーオファーはいろいろあった。レイズを選んだ理由は
「投手に対する球団全体のプライド。そこで勝つんだという強い思いを、ミーティングをさせてもらって感じた。それが僕の中で決め手になった。僕のことをいろいろ調べて、理解してくださっているのが印象的だった。それでレイズを選択することにしました」

ー特に評価されたのは
「長いイニングを投げてくれることを期待していると言ってくれました。あとは高めに伸びる真っすぐとフォークボールのコンビネーションが良いと言ってもらった。アメリカへ行ったら、落ちる球が重要になってくると思っていた。細かいところも、僕のことを詳しく調べてくださっている印象でした」

ーメジャー契約のオファーもある中でマイナー契約。迷いは
「迷いは正直ありました。すごく評価してくださったチームは他にもありましたし、その中でレイズと他の球団で迷いはありましたけど、今年しっかりメジャーリーグの舞台でレベルアップした姿で投げることを考えた時に、どっちが良いのか考えた結果、レイズという決断に至りました」

ー新庄監督と話は
「直接お会いしてはいないけど、連絡しました。シーズンが終わってから『どうするんだ?』という話をしていただいた。新庄さんがアメリカへ行ってたこともあって、マイナーでの生活はとても過酷だと伝えてくれた。僕も正直、ファイターズで投げるのが好きですし、すごく悩んだ。マイナー契約でもアメリカで勝負させてもらうという決断をした時には『すごく寂しくなるけど、一緒に戦って勝ちたかった』と言ってもらえてうれしかった。僕も、もっと新庄さんの力になりたかったのが正直な思いです。あまり力になれず、スミマセンでしたと言ったら『これから思い切ってやってこい』と言ってもらえて、すごく感謝してます」

ー家族からは
「チームを決断する時も家族には相談しました。お金や収入面を考えると、他のチームの方が安定していたかもしれないけど『僕が好きなところへ行って、やりたいところでやるのが一番じゃない?』と言ってもらえたので、レイズを選択する理由になりました。決まった後には、僕が悩んでいるのを近くで見ていたので、本当に決まって良かったと言ってくれた。これから負担は増えると思うけど、野球人生が終わった時に、家族みんなが幸せでいられるようにしたい。一生懸命これから頑張ります」

ーファイターズでの12年は
「あらためて思い出すと、泣きそうになってしまうので、何とも言いづらい。良い時ばかりではなかったですし、つらい時もたくさんあったので。すごく心が折れそうな時もあった。そういう時にファイターズにいた周りの選手、コーチや監督、球団の方々が僕のことを支えてくれた。素晴らしい人が僕の周りにいてくれたおかげで、ファイターズでなんとか12年間やることができたと思っています。今、この世代に生まれて、ファイターズに所属してなかったら、きっと野球選手を続けていることはないと思うぐらい。本当に周りの方に恵まれた。(レイズ)入団が決まって、今年から一緒にできなくなると思うと、急に寂しさが出てきてた。あらためて僕はファイターズが大好きだと感じました」

時折、目元をぬぐう上沢



ーアメリカにはファイターズの先輩や同僚だったダルビッシュや大谷がいる。メッセージはあったか
「連絡を少し取って、ダルビッシュさんからは『いろいろ大変な時期だと思うけど、ひとまずお疲れさま』と言ってもらいました。ダルビッシュさんや翔平とはアメリカへ行く立場がかなり違うけど、同じチームで過ごした先輩や後輩に追い付けるよう、負けないように頑張りたいと思う。ファイターズの選手はこれだけできると、しっかり見せられたらいいなと思います」

ー北海道への思い
「プロに入るまでは北海道と縁もゆかりもなかった。入団して北海道が大好きになりましたし、今でも住みたい。今年からアメリカへ行かないといけないので、北海道で生活できないと思うとすごく寂しい。北海道という地をここまで深く知ることができて本当に良かった。住んでいる方、環境、北海道の全てが大好き。オフシーズンは北海道に帰ってきたい」

ー高卒同期の近藤や石川からメッセージは
「決まった時にまず同級生(松本剛、近藤、石川)に連絡しました。決まりましたと連絡したら、すごく応援していると。僕がラインで『みんなの活躍が刺激になる。これからやっていく上でも、今までもそうだった。3人の活躍は僕にとって高いモチベーションを保つ上で必要で、重要だった。これからも国は違うけど、みんなが活躍するところを見たい。それを見て刺激を受けて頑張ります』と送ったら、応援していると返してくれた。みんな現役を続けているので、1年でも長く4人でやっていきたいと思います」

―グラウンドの大型ビジョンに、ファイターズの選手たちからのメッセージが流れた
「いや~、危なかったですね。ビジョン、泣きそうになりました。けど、加藤(貴)さんの映像でちょっと涙が引きました。面白さが勝って。あれでだいぶ(涙が)ぐっと戻りました」

ファイターズのチームメートからのサプライズ映像を見る上沢



―周囲への感謝を口にしていた。ビデオメッセージはうれしい
「そういう選手になれると思ってなかったし、実際こうやっていろんな人に送ってもらえて、周りの人にあらためて感謝しないといけないなと思いました。すごくいろんな感情が湧いてきましたね」

―松本剛選手が来ることは知らなかった

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