芸能文化
2023/12/10 15:00

新アルバム「魔法を聴く人」をPRした伊東歌詞太郎「聴いているあなたが主人公なんです」

新アルバム「魔法を聴く人」のPRのために道新スポーツ編集部に来社したシンガーソングライター・伊東歌詞太郎(撮影・十島功)

狐のお面がトレードマーク

 世界一の歌い手に―。シンガーソングライター・伊東歌詞太郎が、11月8日にリリースした新アルバム「魔法を聴く人」のPRのため、道新スポーツ編集部に来社した。メディアには顔を出さず、狐のお面がトレードマーク。配信のみの活動だったころから駆け上がり、若い世代を中心に支持を集めている。自身4枚目のアルバムは「最も手応えがある」と胸を張った。

初配信が1万回再生

 かつてはバンドマンとして活動してきたが、バンドを解散し、1人のシンガーとして再スタート。配信活動を始めると、初投稿が一夜にして1万回再生された。「バンドをやっていたときは全然聴いてもらえなかったので、信じられなかった」と当時を振り返った。その勢いのまま、1stアルバム「一意専心」でメジャーデビューした。

一生忘れてはいけないこと

 現在も行っている無料鑑賞できる路上ライブツアーは、このときの初心を忘れないためだ。「初めてライブが決まったときに『やっぱり(場所は)東京なんですね』というコメントがあったんです。遠いところに住んでいる人は時間もお金も掛けて、ライブを見に来る。それを一生忘れてはいけないと思った。自分から近くにいって、本当に聴いてくれる人がいるんだったらありがとうを伝えたい」と原点の経験を胸に刻みながら、今も路上ライブで感謝を伝えている。

 

全国の好きな温泉ランク1位は川湯温泉

 今年の路上ライブツアーでは札幌、小樽、函館、旭川と道内各都市を回った。「真剣に聴いてくれる人が多い感じがします。北海道のお客さんはおとなしいと言われますけど、そんなイメージは全くない」と印象を語った。そして、広大な北海道は「大好きですね」とニッコリ。「野菜も海鮮もお米もおいしい。いろんな魅力ととっかかりがある。北海道を道民の人が愛している」と目を細めた。さらに、全国各地の温泉を回った中で「好きな温泉ランキング1位は(弟子屈町の)川湯温泉」と笑顔で話した。

音楽は魔法

 そして11月8日に「魔法を聴く人」をリリース。「自分にとって、音楽は魔法なんです。なので『魔法を聴く人』というタイトルは『音楽を聴く人』という意味なんです。このアルバムを聴いているあなたが主人公なんですっていうのが、一番のコンセプトです」。1枚のアルバムに紡いだ全10曲、全てに妥協はしなかった。「音作り、ジャケット、ブックレットの中身、歌詞の置き方、アイテムが入っているボックスやそういうのも含めて、全てにおいて手を抜かずに作れたという実感があって、そういう意味ですごく満足した作品になりました」と出来栄えに自信を覗かせた。

11月8日に発売された「魔法を聴く人」のジャケット

 

どんなときも感動を与える存在に

 とにかく歌が上手くなりたい―。目指すはボーカリストのてっぺんだ。「歌が上手いといったら、どんな歌を歌っても一流であるべき。自分の曲だろうが、カバーだろうが、童謡だろうが、海外の曲だろうが、等しく人を感動させるべき。いつ何時、無音の状態でも、歌を歌って人を感動させられるのがボーカリスト。そこを目指していく」。歌を愛する伊東歌詞太郎が、理想に向かって突き進んでいく。


■プロフィール 伊東歌詞太郎(いとう・かしたろう) 現在の動画総再生回数は1.5億回を超えており、ネットやSNSユーザーに絶大なる支持を集めるアーティスト。TOY'S FACTORYよりメジャーデビューを果たすと、「一意専心」「二律背反」「二天一流」のアルバム3枚をリリースした。21年7月にはビクターエンタテインメント/コネクストーンレーベルから再メジャーデビュー。22年2月に初のベストアルバム「三千世界」をリリースした。歌唱力を生かしたライブの人気は高く、過去1000回以上の路上ライブでユーザー交流の基盤をつくってきた。アジア地域での知名度も高く、2019年には中国ワンマンツアー「桃園の誓い」を開催し、北京、上海、成都、広州を回り、今年はフィリピン・ベトナムでのワンマンライブを実施してチケットは即日完売した。さらに執筆活動では、18年春に初の小説「家庭教室」を出版し、新人作家の文学作品としては異例の7万部を突破した。活動領域は歌唱・音楽制作・配信を軸にしながら楽曲提供プロデュース、声優業、文筆業、DJ・パーソナリティーまでに及び、まさにマルチな才能を開花させている。

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