高校野球
2023/10/21 23:55

2年ぶり8強の東海大札幌高 元F戦士・賢介&ダルから命名の鈴木賢有が4安打3打点【秋季全道高校野球】

九回無死一塁、左中間に適時三塁打を放つ東海大札幌高の鈴木(撮影・村本典之)

■秋季全道高校野球大会第4日(10月21日、札幌ドーム)
▽2回戦 東海大札幌高5-3旭川実業

チームはプロ注目の旭川実業エース田中から2桁安打

 東海大札幌高が、プロ注目の旭川実業エース・田中稜真投手(2年)を2桁安打で打ち崩し、2年ぶりの8強入りを果たした。なかでも5番・鈴木賢有三塁手(1年)が5打数4安打3打点の荒稼ぎ。日本ハムがリーグ優勝した2007年生まれにあやかり、当時の主力だった田中賢介とダルビッシュ有から漢字1文字ずつ取って命名された1年生がチームを勝利に導いた。

小柄ながら抜群のパンチ力

 札幌支部8割男が、全道初戦でも猛打連発だ。「自分は決めることが仕事だと思っている。チャンスで回ってきた時は、絶対に(走者を)かえすという気持ちで打席入っているので、良い結果につながって良かったです。バッティングは、中学校の時からずっと得意にしてきた」。身長167センチと小柄ながら、打席では抜群のパンチ力を披露した。

 二回にチーム初安打で、先制のホームを踏んだ。1点リードで迎えた五回1死二塁では、旭川実業・田中投手の直球を逆らわずに右方向へはじき返す適時打で追加点。さらに七回2死三塁から中前に適時打、九回にも無死一塁で左中間を深々と破る適時三塁打と、随所に勝負強さを発揮した。

九回無死一塁、適時三塁打を放ちベンチに向かってガッツポーズを見せる東海大札幌高の鈴木

 

中学時代はジャイアンツカップで4強入り

 大脇英徳監督(47)も「1年生ですけど、よく捉えてましたね。ナイスヒットだった」と高評価。昨夏、中学硬式の札幌新琴似リトルシニアで、ジャイアンツカップ4強入りの主軸は、高校でも即戦力として強豪の5番を任された。

ユニホームの縦縞に憧れ

 父・伸一さん(48)は東海大四(現東海大札幌高)で控え投手。鈴木が物心つく前に、すでにプラスチック製のボールで伸一さんとキャッチボールをしていたといい、伸一さんが監督をする少年野球の大谷地ヤングスターズで基礎からみっちりと野球を叩き込まれた。14年に生徒の募集が停止となって実現しなかったが、小学校卒業後は東海大四中等部に進学するつもりだったという。「ユニホームの縦縞が印象的で、かっこ良いと思ってて、そこに憧れを持ってました」。父と同じ東海のDNAが、生まれたときから刻み込まれていたようだ。 伸一さんは甲子園の土は踏めなかった。「父の分まで絶対に行きたいです」と固く誓う。

札幌ドームでダルとハイタッチも

あわせて読みたい