ファイターズ
2021/11/02 13:45

栗山監督 新庄新監督へ「世界一」の夢託す

退任会見で記者の質問に答える栗山監督

 世界一のファイターズになってくれ―。今季限りで退任する日本ハムの栗山英樹監督(60)が1日、札幌ドームで退任会見を行った。10年間の監督生活を振り返りながら、来季以降、新庄剛志新監督(49)を中心に戦う新生ファイターズのことにも言及。「このチームは世界一のチームになる」とプレッシャーをかけながら、選手、スタッフと新監督に夢を託した。

 肩の荷が下りたのか、約40分間の会見は、終始晴れやかな表情で進んでいった。
 冒頭のあいさつで、栗山監督は「球団関係者、選手、裏方さん、この場を借りてお礼がしたいです。NPBを含め、全国の野球をやっている関係者の皆さん、審判も含め、そういった方がいて、10年間野球をやらせてもらったので、本当にありがとうございました」と感謝の気持ちを述べた。
 2度のリーグ優勝に1度の日本一。成績のみならず、常識にとらわれない柔軟な思考を持ち合わせ、大谷(エンゼルス)の投打二刀流を敢行するなど、球界に残した功績は大きい。
 頭の中にはまだまだ練っていたプランもあった。1試合ごとに、打順を上から一つずつずらしていくことも考えた。時には郡捕手にブルペン投球を指示したことも。「郡って140キロくらい投げられて、コントロールがいい。ミヤ(宮西)に外野守備練習させといて、郡を投げさせて、またミヤを戻すとか」。24時間365日、野球のことを考え続けてきた。
 全てはチームを勝たせるために考えたこと。それでも世界一にするという夢はかなえられなかった。「2023年には新球場になるし、僕が元気なうちにこのチームが『日本のファイターズが、日本一じゃなくて世界一だよね』って言うチームになってくれることが僕にとっては一番の大きな夢」と、続きは新庄ファイターズに託す。
 新庄新監督とはキャスター時代に取材した接点があり、バリ島から日本に戻ってきた後も話したという。「本当に人のために尽くそうと思ってやっている感じがすごく分かるので、本当に楽しみ。野球の細かい話はめっちゃ細かいし、そういう意味では、すごく今のチームにぴったりかな」と大きな期待を寄せた。
 今後、チームを引っ張っていくであろう選手たちにLINEを通じて直接メッセージを送った。これまでは監督と選手という立場で距離を取ってきたが、これからは思っていることを率直に伝えられる間柄となる。
 「こっちからみて明らかにそれはダメだったら、もっと頑張れって言ってやんないと。これは相手がどうのとか関係ない。誰かが言ってあげないといけない」と、選手のことを第一に思うスタンスは今後も変わらない。
 「本当に純粋な子たちだから、勝たせてあげてほしいなって。それだけかな。本当に長い間ありがとうございました」。夢は正夢―。ユニホームを脱ぎ、チームを離れても、夢は一緒に追っていく。

杉谷 サプライズ花束贈呈

 花束贈呈の場面では、「ちょっと待ったあ!」と叫びながら、杉谷がサプライズで登場した。これには栗山監督も「拳士(杉谷)じゃなくて、刑事みたいだったよ。『太陽にほえろ!』イメージした?」と笑った。2人で写真撮影を行い、指揮官が「拳士と一番(試合前の)花束をもらいに行ったよな」と振り返ると、杉谷も「(自分の出場)試合数よりたぶん花束の方が…」と苦笑い。「9割方、拳士だった。花束を見ると拳士を思い出しますね」と、にこやかに写真に納まった。

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