高校野球
2023/08/05 20:55

暑さ対策「クーリングタイム」について道代表2校の監督が見解【夏の甲子園】

開会式リハーサルが行われた甲子園球場で健闘を誓う㊧北海・平川監督(左)と明豊・川崎監督(撮影・大島拓人)㊨クラーク・佐々木監督(左)と前橋商・住吉監督(撮影・宮永春希)

五回終了時、理学療法士も控えるベンチ裏「クーリングスペース」で10分間

 阪神甲子園球場で明日6日から行われる全国高校野球選手権は、暑さ対策の一環で今年から「クーリングタイム」が導入される。試合中の五回終了後に、選手が水分補給をしたり、体を冷やしたりする時間が10分間設けられる。ベンチ裏には「クーリングスペース」が設置され、選手をサポートする理学療法士も控えている。酷暑の中で試合を乗り切るための対策が、試合展開にどう影響するのか、今大会の注目ポイントの一つだ。
 


クラーク・佐々木監督「野球はガラッと変わる」

 五回終了時のグラウンド整備を挟み、試合展開が一変することはプロ野球の世界でも多く見られる。今大会では10分間という長い時間となるため、試合の流れが分断される可能性を秘めている。クラークの佐々木啓司監督(67)は「五回と六回で野球はガラッと変わる。体を整えるということと、気持ちをきちっと持たせることをしないと、ズルズルといく。集中力が崩れないようにしなきゃいけない。非常に難しい時間になるのは間違いない」と話す。特にクラークは攻守において、新岡歩輝主将(3年)が大黒柱。クーリングタイムを経てからマウンドに上がることも考えられ、集中力を保つ精神面のタフさが求められる。

北海・平川監督「落ち着かせることが重要」

 北海の平川敦監督(52)が「普段の試合もグラウンド整備が入っていたので、(流れが変わることへの)意識はありますし、経験のないのはどちらも一緒だと思いますから、落ち着かせることが重要だと思います」と話すように、身構えすぎないことも重要だ。そういった面では両校とも「エスコンフィールド北海道」で準決勝、決勝を戦った経験は大きいはずだ。初めての球場でも慌てることなく、メンタルの強さを発揮して勝ち上がった。

うまく活用し大きなメリットへ

 また平川監督の「北海道から来たことを考えると10分間の時間を有効に使いたい」との言葉通り、大阪より涼しい北海道からやってきた選手たちにとって、暑さを和らげられるような時間はありがたい。大阪入りしてから数日経過したとはいえ、佐々木監督も「北海道のチームは暑さとの戦い。やっぱり暑さには勝てない」と嘆くだけに、クーリングタイムをうまく活用することで大きなメリットとしたい。

 また、クラークは大会第3日(8日)、北海は第5日(10日)が1回戦となり、他の試合を見て考察する時間は十分にある。「1日目、2日目の試合で各チームがどう変わっていくのか、勉強になる」と佐々木監督。選手を守るためのクーリングタイムは、勝敗の鍵を握る10分間にもなりそうだ。






 

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