高校野球
2023/07/16 21:00

帯広農業が快勝で8強入り 扇の要・森本が先制&ダメ押し打【北北海道大会】

三回1死二塁、適時三塁打を放つ帯農の森本(撮影・宮永春希)

■全国高校野球選手権北北海道大会第4日(7月16日、旭川スタルヒン球場)
▽1回戦 帯広農業5-2旭川永嶺

「2番・捕手」森本が2安打2打点&好リード

 2年ぶりの甲子園を狙う帯広農業が5-2で旭川永嶺を下し快勝発進した。支部予選まで8番に降格していた2番・森本心捕手(3年)が三回の先制打など2安打2打点。元投手の経験でエース久保田慎投手(3年)を好リードした。17日の2回戦で選抜甲子園出場のクラークと対戦する。

西川監督「集中力もってやれた」北大会初白星

 帯広農業が優勝した2021年以来の北大会で出場2大会連続で初戦突破を果たし8強入りした。21年8月に就任した西川雄太郎監督(35)は北大会初白星。安打数は帯広農業の10本に対して相手は9本。「ヒット数の割には、つながせなかった。粘り強さというか集中力をもってやれたところ。チーム全員で勝てた試合だったのかな」と穏やかな笑みを浮かべた。

 森本は三回1死二塁に中越え三塁打で先制打を放つと、後続の適時打で生還。さらに3点リードの七回1死二塁の場面では、右中間を深々と破る適時二塁打。「支部の時もバッティングがあまり調子良くなくて8番に1回落ちたんですけど、調子が上がってきた。1、2、3番で1点取るのが目標だったんで、それが達成できて良かった」と声を弾ませた。

甲子園では打撃投手、チームのため捕手に転向

 チームのためにエースの座は諦めた。2年前の甲子園には打撃投手としてレギュラー陣に帯同していた。ところが「投手は久保田と東村がいて、自分たちの代には捕手がいなかった」。指導者から捕手への転向を打診され「1回やってみて、ひたすら練習しました。最初は嫌でした」。それでもチームの為に捕手へ転向した。

「成長した姿見せたいな」

 キャッチャーミットを扱うのも初めて。「キャッチングのうまい人の動画をひたすら見た。ピッチャーの球をひたすら受けて、変化球の軌道を読んでミットを出すようにしてます」。さらに渋谷純希右翼手(2年)の兄で、21年夏の甲子園で正捕手だったOBの渋谷悠稀さん(19)が帰省の度に指導を受けた。「今日もスタンドに来てくれてたり、その人たちに勝っている姿見せたいな、成長した姿見せたいなって思いで3年間やってきました」。

ピンチに幸運のリス現る

 珍客の登場もプラスに捉えた。6-1で迎えた八回の守備。1死一、三塁とピンチを迎えた。嫌な流れだったが、突然試合が止まった。バックネット方向からグラウンドにリスが侵入。当番の先生や審判などの〝大捕物〟は約5分続き、最後は左翼側の出口から外へ。実はリスは帯農のマスコットキャラクター。「ピンチだったんで、自分たちは逆にラッキーラッキーって切り替えていけたんで良かった」。〝幸運のリス〟に感謝した。

 1年の時には立てなかった甲子園に一歩近づいた。相手は選抜甲子園出場校のクラーク。「自分たちのやることは変わらない。いいピッチャーがいるんで、しっかり自分たちのバッティングとか勝てるようにやっていきます」。4強最後の椅子をかけ強豪に立ち向かう。

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