芸能文化
2023/05/31 05:00

羅臼町出身のギタリスト・シンガーソングライター森 大翔 31日に1stアルバム「69 Jewel Beetle」をリリース

5月31日に1stアルバムをリリースする森 大翔(A-Sketch提供)

7月の「JOIN ALIVE2023」にも出演決定

 北海道知床半島にある羅臼町出身のギタリスト・シンガーソングライターの森 大翔が、31日に1stアルバム「69 Jewel Beetle」をデジタルとCDでリリースする。CDにはボーナストラックとして既発曲の「日日」「君の目を見てると」の2曲も収録。7月に岩見沢で開催される「JOIN ALIVE2023」の〝凱旋〟も決まった。6月に20歳の節目を迎える森が2023年を飛躍の年とする。

ハマ・オカモト「彼の音楽は稀有であり、希望であり、驚きです」

 道東から新進気鋭のアーティストが舞い降りた。19歳、表情にはまだあどけなさが残るも、そのギターテクニック、透き通った歌声は圧巻の一言。OKAMOTO'Sのハマ・オカモトも「楽器と一心同体な彼の音楽は稀有であり、そして希望であり、音楽シーンにとってうれしい驚きです」と絶賛する。

 圧倒的な演奏技術を持つギターを始めたのは小学6年時。「憧れのお兄ちゃんがギターを弾いていて、それに憧れて弾き始めました」と慕っていた従兄弟の影響だった。またヘヴィメタル好きだったことから、ギターの早弾きの練習に熱中。さらにSNSやYouTubeで様々なギタリストを研究したことが、現在の演奏力につながっている。

2019年、エレキギター16歳以下世界一に

 16歳のときには英・ロンドンで行われた16歳以下のエレキギター世界大会に出場し、100人の審査を勝ち抜いて世界一に輝いた。「ただ好きでずっと続けていて、それが世界の大会で優勝するっていう形になった。自分の自信にもなったし、すごくうれしかった」と振り返った。そして、21年9月「日日」でデビューを果たした。

 羅臼の大自然で育まれた感性はアーティストとしても生きている。森は壮大なイメージを持って曲作りに着手する。「自然が持っている広い感じと僕の思っている音楽が持っている広い感じは似ている。音楽も自然もすごい自由な開いたものだと思っています。ピュアなものが大好きで、羅臼がベースっていうのは相当でかいと思います」。

「10代で作れて良かった」

 そして、満を持して1stアルバムをリリースする。「69 Jewel Beetle」について、森は「10代、最初で最後のアルバムでうれしさがあります。きっと僕が年を取ったときに10代の自分の姿をこういう形で見ることができる。素直に自分の言葉とかで書いている歌詞がほとんどで、アルバムの中でさえも自分の成長がありますし、この10代で作れて良かったです」と自身の〝足跡〟を残せたことを喜んだ。

 「今まで送ってきた音楽人生の中でたくさんギターの魅力を吸収してきました。ギターの音の美しさ、かっこよさをまずは聞いてほしいです。自分の名刺の一作として、おじいちゃん、おばあちゃんの世代から自分よりももっと若い人たちにも聞いてもらいたいので、無駄なギターを弾かないように必要なところで弾くという意識をすごい持ちました。洗練された曲たちかなと思います」。

「『ちょっとかっこよくなったぜ』ってところを見せたい」

 そして、7月は「JOIN ALIVE2023」に出演する。高校3年間は札幌で過ごしたこともあり「思い出の街や風景、そこで知り合った人たちもたくさんいて、東京行って『ちょっとかっこよくなったぜ』ってところを見せたいです。ちゃんと準備して挑みたいと思います」と意気込んだ。

 森の音楽人生はまだ始まったばかり。「今の正直な目標はまだわからなくて、誰かの居場所になれたらいいなとささやかに思いつつ、もっと表現の幅を広げて若さもあるので何でもやってみようとチャレンジしていきたい」。羅臼産の〝宝石〟には、可能性が無限に広がっている。


■プロフィール 森 大翔(もり・やまと)羅臼町出身のギタリスト・シンガーソングライター。16歳の時に英・ロンドンで開催された「Young Guitarist of the Year 2019 powered by Ernie Ball」で優勝し、16歳以下のギタリスト世界一に輝く。2021年9月、デジタルシングル「日日」でデビュー。その後、2023年5月31日には初となるアルバム「69 Jewel Beetle」をリリース。

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