ファイターズ
2023/05/21 20:55

福田光が地元・大阪でプロ1号!「ここは行ったろう」 母校が演奏、両親が観戦したオリックス戦

四回1死二塁、地元でプロ1号となる2点本塁打を放った福田光(中央)がチームメートとハイタッチを交わす(撮影・松本奈央)

■パ・リーグ8回戦 日本ハム4-10オリックス(5月21日、京セラドーム大阪)

「6番・二塁」で6試合ぶり先発出場 期待に応え中堅バックスクリーン弾

 故郷の声援を背に受け、強烈な輝きを放った。日本ハムの福田光輝内野手(25)が21日、京セラドームで行われたオリックス戦に「6番・二塁」で先発出場。5点を追う四回1死二塁の場面で、反撃の2ランを中堅バックスクリーンへたたき込んだ。

記念球は両親に「会えたときに渡せたら」

 生まれ育った大阪でプロ1号を記録し「縁があるんですかね? 試合中はあまり考えないようにしていたけど、きょうはたまたま両親が観戦に来ていたので良かった。(記念球は)会えたときに渡せたら」とニッコリ。勇姿を披露できた喜びを、じっくりとかみしめた。この試合ではオリックスの応援団に交じり、母校・大阪桐蔭高の吹奏楽部もスタンドで演奏。懐かしい音の響きも活躍を後押ししてくれた。

 第1打席は粘りながら、8球目で見逃し三振に倒れた。その反省を生かし「やられていたので、ここは行ったろうと思っていた」と積極性を重視。第2打席はあえて狙い球を絞らず、来たボールをシンプルに迎え撃った。

 初球の直球を捉えると、打球は勢いを落とすことなく中堅フェンスを越えた。メモリアルな一発を「打った瞬間、結構良い感触でした。だけど、センターの人が捕る素振りをしたので『あぁ力がない。ノーパワーだなぁ…』と思っていたら入りました」と、関西人らしくユーモアたっぷりに振り返った。

相手投手のフォームと球種を考慮して先発を決めた新庄監督「引っ張って大きいの打とう」

 指揮官の鋭い洞察力が、記念のアーチを生み出した。新庄監督は「コットンの投球フォームとか球種を考えて(スイング)軌道に合うかな」と、好相性を見込んでスタメンに抜てき。14日ロッテ戦以来6試合ぶりに先発した背番号35は、大きな期待に100点満点の活躍で応えた。

 的確な助言も効いた。前日20日の練習時の出来事を、福田光は思い返す。「昨日、監督から『引っ張って大きいのを打とう』と声を掛けてもらった。バッティング練習の中でも、ちょっと当てにいったり小さくなっている部分があった。昨日の練習から強く、大きく振ることを意識していた。それが良い結果につながったかな」。安打を欲しがるあまり、気付かぬうちに自らの長所を消していた。そんな些細な変化を、ボスは見逃さなかった。

福田光「監督もコーチも選手の皆さんも、やりやすい雰囲気をつくってくれる」

 3月にロッテから移籍。まだチームに加わって日は浅いが、出番を得るたびに信頼を高めている。「頭から行かせてもらえることが増えた。代打とスタメンで守備に就くのでは気持ちの余裕が全然違う。監督もコーチも選手の皆さんも、やりやすい雰囲気をつくってくれる。良い意味で切羽詰まらず、自分のプレーができるところまで来ている」。新天地で迎えたプロ4年目のシーズン。豪快な一発に、覚醒の兆しが見えた。

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