■パ・リーグ９回戦　楽天２－３日本ハム（５月７日、エスコンフィールド北海道）

２－２の九回に救援　最速１５４キロの直球を主体に３者連続三振し　流れ引き寄せる

　プロ７年目でようやくたどり着いた。日本ハムの田中正義投手（２８）が７日、エスコンフィールド北海道で行われた楽天戦で、プロ初勝利をマークした。同点の九回に救援し、最速１５４キロの直球を主体に圧巻の３者連続三振。チームがサヨナラで勝ち、メモリアルな白星をゲットした。本拠地のお立ち台に上がり「すごい時間はかかってしまったんですけど、こういう景色が見られてすごくうれしいです」と感慨に浸った。

石川の負傷で抑えに抜擢　１４試合登板で１勝１敗６ホールド４セーブ　防御率２・０８

　故障に泣かされたソフトバンク時代の６年間。フリーエージェント（ＦＡ）権を行使して移籍した近藤の人的補償で日本ハム加入が決まった。環境の変化は転機になった。加入当初は戸惑いもあったが、すぐに仲間に受け入れられた。

新庄監督「なんかもう、驚かないね」

　キャンプでは自ら望む先発に挑戦したが、３月のオープン戦でリリーフに配置転換された。１軍に残るためなら、どんな役割でもこなす腹づもりだった。開幕後は守護神を担った石川の負傷離脱に伴い、抑えを任されることになった。今は「九回を任せていただいているので、そこに感謝して、覚悟決めてグラウンドに来るという事は、毎日したい」と大きなやりがいを感じている。

　１４試合に登板し、１勝１敗６ホールド、４セーブで防御率は２・０８。ブルペン陣の柱としてフル回転している。新庄監督は「なんかもう、驚かないね」と笑い、「田中くんが打たれたんだったら仕方ない。そうなってくれる選手ですね」と期待を込めた。

　田中正のプロとしての戦いは始まったばかり。縁があって北海道にやってきた剛腕は、ファイターズ躍進に欠かせない重要なピースになっている。