■ルヴァン杯グループステージ第２節　磐田２－３札幌（２５日、静岡・ヤマハスタジアム）

－試合を振り返って
　今日は両チームとも面白いゲームができたと思う。立ち上がりから札幌が主導権を握る形でゲームを進められた。札幌がマンツーマンで前からはめていく中で、磐田は長いボールをトップに入れて、そこからの攻撃を狙っていたのではないかと思う。

　前半、札幌に３、４回決定機があったが、そういう中で１、２点取ってリードして前半を終えられれば、もっと試合展開は楽になったのではないかと思うが、前半を０－０という形で折り返した。

　後半は磐田の方が入りが良く、１、２回決定機があった中で、札幌は何とかしのぐことができ、逆に１点、２点と取って２－０でリードできる展開をつくることができた。

　ただサッカーにおいて２－０というスコアは、最も危険なスコア。前節のＧ大阪戦でも２－０とリードした展開の中で、２点連続で失点してしまった。今日のゲームでも２－０としたところで、磐田に得点を与えてしまうと、そこからの展開は非常に難しいものになる。そういう中で磐田に２点目を与えてしまった。

　その後はかなり両チームともオープンな展開になり、最終的に札幌がアディショナルタイムでセットプレーから得点できて、３－２で勝利できたことは良かった。ただ引き分けで終わってもおかしくないゲームだったと思うし、札幌が最後に３点目を取れたことは、非常に幸運だった。

　磐田の監督の横内さんがつくるチームは非常に危険なサッカーをする。ボールの動かし方だったり、選手のオフザボールの動きの連動性だったり、非常にすばらしいチームをつくられているなという印象をもっている。

－ＦＷ出間の貢献度について

　こういう試合で途中出場した１７歳の選手が得点を取ると、よく「今日点を取りそうな気がした」みたいなことを言う人が多いが（笑）、今日に限っては別にそんなことは関係ないと思っている。彼に関しては、沖縄キャンプからチームに帯同して、練習試合にも出場していた中で、いいものがあるなという印象を持っていた。そういう中で、今日彼が得点という形で結果を残したことは非常にうれしく思っている。

　ただまだ１７歳という年齢で、メディアが騒ぎすぎるのは全く違うことだと思う。しっかり地に足を着けて、プロの選手になるために、続けて努力を重ねてほしい。プロの選手として彼が今後キャリアを積んでいくためには、まだまだやらなきゃいけないことは残っている。

　（次節の川崎戦での出場の可能性について）今日得点したので、次の川崎戦で起用しようか考えなきゃいけないね。
　
－ＤＦ田中駿をボランチ、ＤＦ馬場を右ストッパーで起用した
　田中駿はもともとボランチの選手なので、ボランチをやることに対して不慣れな部分はないはず。彼に関しては、右ストッパーをやれる選手がなかなかいない札幌のチーム事情の中で、リーグ戦で右ストッパーをやることが多い。ただ札幌の戦い方は非常に流動的で、ストッパーの選手がボランチに入ったりシャドーに入ったりといろいろなポジションに動くので、どの選手がどのポジションに入っても大体みんながそのポジションをこなせるのは札幌の強さでもある。そういう中で、今後の戦い方も見据えて、いつもと違うポジションをやるのも我々の狙いだった。

　ストッパーの選手は、札幌での役割の中で、アップダウンの非常に激しいポジション。それをこなせる選手はなかなかいないが、そういう中での一つの試みとして今日は馬場をストッパー、田中駿をボランチという形で起用した。