冬季スポーツ
2023/01/22 19:30

不振続く佐藤幸椰は44位「これが自分の現在の力。来年の札幌開催で笑えるように」 男子ジャンプW杯

第16戦は本戦に進んだが44位だった佐藤幸(撮影・十島功)

■W杯ジャンプ男子札幌大会(22日、札幌・大倉山ジャンプ競技場=ヒルサイズ137メートル)
▽個人第16戦

3年前は札幌で優勝

 2020年の札幌大会覇者が迷路から抜け出せずにいる。20、21日と予選落ちに終わっていた佐藤幸椰(27、雪印メグミルク)はこの日は予選を通過したが、1回目115.5メートルで44位に終わり、2回目に進めなかった。小林陵侑(26、土屋ホーム)に次ぐ実力で日本チームを支えてきた男が、苦悩している。

 3季ぶりの自国開催は、いいところを見せられずに終わってしまった。佐藤幸は「これが自分の現在の力。次に向けてやるべきことをやって、また来年の札幌開催で笑えるようにしたい」と現実を受け止めた。「あまり悲観しすぎると動きに迷いが出る。良くはないけど、考えすぎても仕方がない」と前を向いた。

 今季はマテリアルコントロール(道具の検査)の変更もあり、W杯の30位以内は2度だけで最高でも19位と苦しんでいる。15日のSTV杯では131メートル、126.5メートルの飛躍を見せ「合格点に近い内容」と復調を感じさせた。佐藤幸自身も「来週(W杯札幌大会)をきっかけに後半戦のW杯に向かいたいなっていう強い思いがある」と話していたが、好転しなかった。

 「競技者である以上、結果が全て。マテリアルの改正であったり、そういう面に対応しきれていない自分のアスリートとしての力不足を感じている」。現在はアプローチのポジションが定まらず「空中の前半から後半につながらない」と模索している状態だ。

新スーツでも合わず

 20、21日は新調したジャンプスーツで臨んだ。小林陵が復調した要因の一つになったが、佐藤幸には合わなかった。「やっぱり合う、合わないはある」と、この日はジャンプ週間で着用していたスーツに戻した。「その中でも最低限できることはやらないといけないので、そういうアスリートとしての力を上げていけるように努めたい」

 男女ともに低迷する日本チームを上向かせるためにも、佐藤幸の力は必要不可欠。「もちろん結果には満足しないけど、思ったより焦ってはいない。もう上がるだけですから」。暗闇でもがき続け、光明を見出してみせる。

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