ファイターズ
2023/01/02 19:30

《ハム番24時》拡大版⑤

勝手に選出「ナイスなシーン」ランキング

 2022年も、多くの選手を取材させていただいた。せっかくなので、その中から印象に残った場面をピックアップしてみたい。記者が完全に独断と偏見で選んだ「ナイスなシーン」を、ランキング形式で発表する。

 第3位「新人合同自主トレ初日、いきなり練習の輪から外れたドラ1右腕・達」。当初は全体練習に参加していたが、上半身に硬さを感じた右腕は、周囲を気にすることなく離脱。入念にストレッチを行ってから、自分のペースでキャッチボールを始めた。当時、まだ17歳。肝の据わった大器の将来が一気に楽しみになった瞬間だった。

 第2位「秋季キャンプ最終日に完璧な手締めを披露した逆輸入ルーキー・加藤豪」。手締めのあいさつを任されたのは本番2日前。米国育ちで日本語より英語が得意だが、グーグル翻訳を頼りに必死に考えたという。「ビリーブ」をテーマにした名スピーチに、沖縄・国頭で感動させられた。入団会見では事前に報道陣へ長文の手紙を用意して思いを伝えるなど、個性的で誠実な言動が多く、興味をひかれる存在だ。

ランク外もド肝を抜いた有薗の大ファウル そして1位は、エース右腕の心意気

 番外編「松本剛の愛車に打球をぶつけた大砲候補・有薗」。秋季練習期間中の鎌ケ谷に、ドンっと鈍い音が響いた。有薗が放った特大ファウルは左翼防球ネットを軽く越えてバウンド。22年の首位打者を獲得した先輩の高級車のルーフをヘコませた。以前から有薗の打球に一目置いていたという松本剛は苦笑いを浮かべつつも、将来の活躍に太鼓判を押していた。車破壊弾をきっかけに、大きな飛躍を遂げてもらいたい。

 第1位「復帰初戦で8失点を喫し敗れるも、いつも通り丁寧に取材に応じたエース・上沢」。悔しくないはずがなかった。右足中指の骨折から1軍復帰した8月20日のソフトバンク戦で、シーズンワーストの8失点KO負け。試合後、こちらもどう声をかけるか悩んだが、右腕は勝利投手になった時と変わらないテンションで、しっかりと登板を振り返ってくれた。積極的に話したい日ではなかっただろう。それでも、自身の言葉を待っているファンのために口を開く姿は、まさにエースだった。

23年シーズンも期待大 個性豊かな選手たちを追いかける

 残念ながらここで紹介できなかったシーンにも、印象的なものが多くあった1年だった。2023年も名場面を見逃さないように、個性豊かな選手たちを追いかけていきたい。

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