ファイターズ
2022/08/22 00:10

松本剛が2安打で打率.356 稲葉以来15年ぶりの首位打者へ

連日のマルチ安打!初タイトルへ猛攻止まらぬ松本剛

■日本ハム1-5ソフトバンク(21日、ペイペイドーム)

 日本ハムの松本剛外野手(29)が21日、敵地で行われたソフトバンク戦でマルチ安打を記録し、左膝骨折以前の数字を超える打率.356をマーク。球団としては2007年の稲葉篤紀以来15年ぶりの首位打者獲得へ視界良好だ。試合は先発の加藤貴之投手(30)が3被弾するなど、計4被弾で5失点。1―5で敗れ、6連敗は喫したが、完治していない体でも結果を出す松本剛が一筋の光。1試合1安打を目標に、地道に初のタイトルへ突き進む。

左膝骨折離脱前より上昇

 着実に確実に、初の栄冠に近づいている。パ・リーグ首位打者をキープしている松本剛が、前日20日に続き2安打を放った。打率は左膝骨折で離脱する直前の.355を超え、.356まで上昇。タイトル獲得が現実味を帯びてきた。

 「走れないのに使ってもらっているので、結果で示すしかない。(試合に)出ている選手として、責任を持ってやらなきゃいけない。とにかくヒットを打つことだけを考えて臨んでいます」

 一回の第1打席で右前に運ぶと、第2打席は四球を選び、第4打席で中前打をマークした。1軍復帰後は6試合に出場し、19打数7安打、打率.368。「きょうは感じも内容も良い打席が多かった。打席での感覚、雰囲気が、だいぶいい方向にいっている」と手応えをつかんでいる。

 7月19日のオリックス戦で左膝に自打球を当て、骨折。完治はしていなかったが、今月14日の2軍戦で実戦復帰を果たすと、16日から1軍に合流した。まだ全力疾走はできないが、「日に日に良くなっている。もう少しである程度、走れてくる」と状態は上向き。試合後は患部だけでなく、周辺のケアにも時間をかけ、回復と予防を徹底して行っている。

何歳になってもバントは大事

 プロ11年目の29歳。どんなに安打を積み重ねても、試合前は犠打練習を欠かさず行っている。「僕がどういう選手なのか客観視したときに、小技ができるからこそ(試合に)出られている場面が今まですごいあった。チームプレーは自分を救ってくれる。そこは絶対おろそかにせずに、何歳になっても『バントはいつでもできますよ』っていうスタンスでやっていきたい」と力を込めた。

 まさに〝芸は身を助ける〟だ。復帰後の松本剛に、新庄監督は犠打のサインを出す機会が増えた。できるだけ高打率のまま規定打席に到達させるため、犠打は打率を下げずに打席数を稼ぐ策。当然、失敗しては無意味だが、見事に3回成功させた。「変にバントだからと気負うこともない。練習があるからこそ、自信を持ってできている」と胸を張った。

31試合出たら31安打

 ここまで357打席に立ち、残り31試合で86打席消化すれば、シーズン規定の443打席に到達する。オリックスの吉田正ら、ライバルは強力だが「31試合もし出たら、31本ヒットを打つ。それだけです」と言い切った。地味な練習も真剣にこなし続けてきた野球人生に、ようやく大輪の花が咲こうとしている。

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