ファイターズ
2021/09/21 15:29

またまた無援 打線にさぶ~い秋風 2日連続の0封負け

八回1死二、三塁の絶好機。西川は、会心の当たりが好守に阻まれ、天を仰ぐ(撮影・桜田史宏)

■日本ハム0-1ロッテ(20日、ZOZOマリン)

 ホームが遠い…。日本ハムは20日、ロッテと対戦し、0―1で敗れた。首位チームの堅守に阻まれるなど、再三のチャンスに決定打が出ず、今季13度目の零封負けを喫した。これで対ロッテの今シーズン負け越しも決定した。先発マウンドに登った河野竜生投手(23)は6回1/3を投げて1失点と試合をつくったが、打線の援護に恵まれずに今季4敗目。六回に犠飛で献上した1点が決勝点となってしまった。
 

 近くて遠い1点が首位ロッテとの差なのか―。2試合続けてスコアボードにゼロが9個、並んだ。決定打が出ず、奮闘した投手陣を援護できなかった。日本ハムが1点を争う緊迫した展開で競り負けた。終盤の逸機について問われた栗山監督は「いろんな意味合いがあるんだろうなと思って、日常の生活を含め、全て1回見直してやっていきます」と、思考を整理するようにゆっくりと言葉をつないだ。
 逆襲につながる契機はあった。八回、石井の安打と敵失、犠打で1死二、三塁。一打逆転の場面で西川が打席に入り、佐々木千の外寄り直球を捉えた。センター方向へのライナーは、素早い反応でダイブしたロッテ遊撃手・エチェバリアのグラブに吸い込まれた。球場全体がざわめいた。執念がほとばしるビッグプレーに気おされた。
 日本ハムにとっては不運な当たりだった。小笠原ヘッド兼打撃コーチは結果を責めず「やるべきことをしっかりやって、野手がいるところにいってしまった。紙一重だと思う。全員で何とかしようとはしていた」と取り組みを評価した。
 先発の河野が我慢の投球を続けていた。恐れずに内角を攻め、走者を許しても崩れなかった。六回に犠飛で1点こそ失ったが、意地で追加点は阻止。七回1死一塁、100球を投げたところで交代を告げられると、驚いたような表情の後、天井を見上げ、悔しさをにじませていた。ベンチは先発に再転向してまだ白星のない2年目ドラ1左腕のためにも、援護点を奪いたかった。
 今季の対ロッテは3勝11敗4分けとなり、7試合を残して負け越しが決まった。首位を走るライバルの背中は遠い。22、23日は2位に付けるオリックスとぶつかる。指揮官は優勝戦線にいる上位との対決が、チームの糧、推進力になると考えている。「一人一人が自分のことをしっかりできるように。やってくれると信じていくだけ」。置かれた状況がどんなに苦しくても、下は向かない。(榎本真之)

あわせて読みたい