ファイターズ
2022/06/02 23:40

伊藤大海三回に打球が右すね直撃「志願して行ったからには…」無念の途中降板

三回に西川の打球が伊藤の右すねを直撃しグラウンドに倒れ込む

■日本ハム3-6広島(2日、マツダ)

五回に制球乱し連続四球「申し訳ない気持ち」

 もう、限界を超えていた。五回無死から連続四球を与えたところで、先発の伊藤大海投手(24)は交代を告げられた。両手を膝に乗せ、肩で息をしていた。うつむいたまま、なかなか顔を上げられない。三回に負傷した右足は、明らかに悲鳴を上げていた。

 パ・リーグトップの6勝目を懸けて先発した。無失点で迎えた三回1死二塁。広島・西川の強烈なライナーが右下腿(すね)外側を直撃した。いったん飛び上がってから、マウンド付近に倒れ込んだ。球場全体が騒然とする中、ベンチ裏で治療を施し、マウンドに戻った。自ら続投を願い出ていた。

 四回は無失点で切り抜けたが、五回に制球が定まらなくなった。投手の九里と1番の野間に四球。4回0/3、68球で降板。足を引きずりながらベンチに戻る姿が痛々しく、事態の深刻さを物語っていた。この回、リリーフ陣も崩れて6点を奪われた。伊藤は「志願して行ったからには、しっかりとあのイニングを完了させなければいけませんでした。あとの投手に苦しい場面で投げさせる結果になり、申し訳ない気持ちです」と責任を背負い込んだ。

アイシングで経過観察 新庄監督「1回(ローテーションを)飛ばして」治療優先

 すぐには病院に向かわず、患部にアイシングを施し、経過を観察した。当然、無理はさせられない。新庄監督は「踏ん張って投げようとしたけど、力が入らなかったね。様子見だけど、1回(ローテーションを)飛ばして(次回登板は)そのあとに」と見通しを説明。治療を優先しながら復帰登板の機会を探ることになりそうだ。

 上沢と並んでエース級の風格を漂わせている伊藤だが、まだプロ2年目。立ち止まる時間も、きっと糧になる。執念の続投は実らなかったが、悔しさを晴らす舞台は、すぐに訪れる。

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