チーム内でじわじわ流行（はや）っている〝物まね〟がある。石井がヒットで出塁すると、ベンチで数人の選手が目を細め、人さし指を突き出す。最近では、当の本人も塁上でこのポーズを見せるようになった。

　振り返ってみると、今月１１日に石井が仕掛け人となって敢行した松本剛への〝バースデーサプライズ〟の集合写真でも、矢沢、中島、奈良間が目を細めて、人さし指を立てていた。先日、石井と話をする機会があり、そのことを聞いてみると苦笑いしながら明かしてくれた。

　「矢沢、発信です。ふざけていますよね。奈良間、（中島）卓さんもやり始めて…。（伏見）寅威さんには、おまえは目を細めなくていい。みんな目を細めるけど、そのままこうやって（人さし指を立てるポーズを）やればいいと言われています」

　矢沢といえば、周囲からかわいがられる人懐っこい性格。持ち前のコミュニケーション能力を発揮し、６歳上の先輩にもグイグイいっているようだ。さすがだなと感心していると、石井からこんなお願いをされた。「悪ガキと書いておいてください」。こんなふうに言い合えるのは、チームの雰囲気がいい証拠なのだろう。