伏見寅威 攻守で存在感キラリ 先発・達らを好リード&二塁打で先制点を演出
三回1死一塁、ロッテ・友杉の二盗を阻止した伏見=撮影・松本奈央
■パ・リーグ8回戦 ロッテ1-4日本ハム(5月30日、エスコンフィールド北海道)
守って良し打って良しのベテラン捕手
勝利の陰に、伏見あり―。日本ハムの伏見寅威捕手(35)が「5番・捕手」で先発し、バッテリーを組んだ先発の達孝太投手(21)を七回途中無失点に導いた。
打撃でも五回に左翼線への二塁打を放ち、続く清宮幸太郎内野手(26)の中前適時打で生還。首位を走るチームの中で、女房役の存在感は日に日に増している。
五回、先頭で二塁打を放った伏見
3試合連続のスタメンマスク 三回には盗塁阻止
扇の要として、中軸として、勝利を演出した。3試合連続でスタメンマスクをかぶった伏見は4投手を好リードし、ロッテ打線を1失点に封じた。
6回⅔を投げて無失点と好投した先発の達を、伏見は「いつも通り良かったです」と、たたえた。伏見自身も三回1死一塁から盗塁を試みたロッテの友杉を刺すなど、若き右腕を盛り立てた。
三回1死一塁、ロッテ・友杉の二盗を阻止した伏見(右)
才能を認めているからこそ慎重に
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194センチと高身長から、威力のある直球と多彩な変化球をコントロール良く操る達は、経験豊富な伏見にとっても特異な存在だ。
「あんまり受けたことないタイプ。あれだけ長身で、コントロールもいいですよね。あんまりいないですよね、ああいう先発ピッチャー」と、そのポテンシャルに驚きを隠さない。「いろんな球種を持っているんで、偏りがないようにできるだけ使いたい」と万能だからこそ、配球には注意を払っている。
今季初のクリーンアップ 5月の打率は.341
5月の月間打率が.341を記録しているバットでも見せた。0-0の五回、先頭の伏見は左翼線への二塁打で出塁し、清宮幸の中前適時打で先制のホームを踏んだ。
「(5番起用に)あんまりもう何も感じなかったです。チーム状態があんまり良くなくて、監督がたぶんいろいろ考えた結果の打順だったり、メンバーだと思うので、もう出たとこ勝負というか、チームが勝てるようにやるしかないなっていう感じでした」と、今季初の中軸起用に応える結果を残した。
五回、先頭の伏見が二塁打を放つ=撮影・岩崎勝
頑張っています!伏見先輩
攻守でチームをけん引した背番号23は、母校の後輩たちにもエールを送った。東海大札幌高は29日に春季全道高校野球大会の準々決勝で北海と対戦し、2-3で惜敗。結果をチェックしていたという伏見は「夏は勝ってほしいですね。次に期待しましょう」とリベンジに期待を寄せた。
首位をキープしているチームも、本当の勝負はまだ先となる。自身も好調ぶりを見せているが「めちゃくちゃ状態がいいっていう感じでもない。なんとか一打席一打席、必死にって感じです」。夏の大会を控える後輩たちのためにも「伏見寅威」の活躍を数多く届ける。
五回無死二塁、清宮幸の先制打で生還した伏見(右)がチームメートとハイタッチを交わす