《ハム番24時》5月17日

もう、「雨男」を認めざるを得ないだろう。この日のロッテ戦(ZOZOマリン)が雨天中止となり、先発予定だった達は、どこか達観したような、諦めとも取れるような表情で報道陣の前に現れた。
1軍登板が雨で流れるのは初めてだが、2軍では〝達と言えば雨〟が常識だ。入団以来、悪天候で予定がずれた回数は、間違いなく両手でも数え切れない。
雨男人生の始まりは、ルーキーイヤーだった22年4月29日の2軍巨人戦。雨模様の中、なんとか試合が進んでいたが、四回に達が登板した途端、雨脚が強まった。そして、無死一塁から中田翔に、特大の〝プロ初被弾〟を浴び、直後に降雨コールドが宣告された。よって、記録には残っていない。
当時、2軍監督だった木田GM代行が「俺が雨の読みを間違ったせいで、一番かわいそうな時に出しちゃった。こんな経験はまだしなくていい」と反省するほどだったが、まだ18歳だった達は「記録には残っていないので、打たれていないということで」と笑い飛ばしていた。今思えば、指揮官の配慮を、右腕の雨男ぶりが上回ったのだろう。現場にいた記者にとっても印象的な試合だった。
達自身も、幻の初被弾をしっかり記憶していた。ロッテ戦中止決定後の取材で「中田翔さんにホームランを打たれて、雨で中止になって、(記録に残らなくて)『ああ、良かった』って思っていました。それが、始まりだったんです。それを皮切りに、どんどん雨が降るように…」と苦笑いだった。
2、3年目も、2軍で幾度となく雨に泣かされた。今年3月には、オフに千葉・鎌ヶ谷の選手寮から東京・高円寺にある気象神社まで約1時間半かけて足を運んだ。初めて買った絵馬に「晴れますように」と書いて、「晴守り」まで購入したが、その後の登板で大雪に見舞われるなど、まだ効果は現れていないようだ。それでも、スライド登板時の結果は「良いと思います」。雨降って、地固まる―。あすの快投に期待したい。