ビッグボスのようなエンターテイナーになる！ 日本ハム・万波中正外野手（２１）が１日、札幌市内の球団事務所で契約更改に臨み、３７０万円増の年俸９００万円（金額は推定）でサインした。記者会見には新庄剛志新監督（４９）ばりのど派手なワインレッドのスーツで登場。指揮官の後継者として期待される強肩強打の外野手は、来季お立ち台で積極的にマイクパフォーマンスすることを誓った。

　　上下ワインレッドのスーツをビシッと着こなした万波の姿は、まるでスターのようだった。就任会見時の新庄新監督に似たカラーのコーディネートとなり「意図せず似てしまった。ビッグボスイズムが染みついてきちゃってるかも」と照れ笑い。新体制となるプロ４年目に向けて、新たな公約を掲げた。
　「来年、お立ち台に上れたら何かしたいなと思っています。期待していてください！」
　試合のヒーローに選ばれた選手が上がるお立ち台。歌手顔負けの美声を持つなど芸達者な万波だが、今年５月に本拠地で立った際には「思ったより全然緊張しちゃって、手汗がすごいし、もうダメダメでした」。挽回する機会を狙っていた。
　「気の利いたことを言いたいなと思っていたんです。何かするというか、普通にしゃべっていて『こんなこと言うのか！？』みたいな感じにしたい」。インパクトのあるフレーズを発することを計画している。
　参考にするのは、もちろん現役時代にお立ち台でファンを沸かせてきたビッグボスだ。阪神時代の１９９９年には敬遠球を打ってサヨナラ勝ちを決め、「あしたも勝つ！！」とシャウト。日本ハム時代の０６年には突然の引退宣言をした。「『あしたも勝つ！！』が好きなんです。でも、ビッグボスはまねすることが嫌いっていうじゃないですか。独自性のあるやつを考えたい」と気合が入っている。
　正中堅手候補の万波は、新庄監督の秋季キャンプ視察初日に唯一「ビッグボス」と呼ぶ強心臓ぶりを発揮。テレビのインタビューでは指揮官が「万波君、かわいい」と名前を挙げるなど、期待を寄せられている。この日は５、６着あるスーツの中から「一番派手な」色をチョイス。「僕も来年に向けてメラメラ燃えていますし、ビッグボスが来て、やっぱり派手な人とか目立っている人はめちゃくちゃかっこいい」と目を輝かせた。
　アピールを期す来シーズン。お立ち台でヒーローインタビューを受けるため、明確な目標を定めている。
　「全試合フル出場を目標にしたからには、（本塁打を）３０本打ちたいです。長打を打って目立ちたい」。そう言い切った万波の表情は、球界を代表するエンターテイナーになりそうな雰囲気が漂っていた。

スター出現が上位浮上の鍵

　新庄ビッグボスは、新たなスターの誕生を心待ちにしている。１１月の監督就任会見では「チームにピッチャー３人、野手４人のタレントをつくり上げていけば、楽しいチームになる。そういうチームをつくっていきたい」と宣言した。もちろん、万波もタレント候補の一人だ。
　さらにビッグボスはＳＮＳを通して「個性ある髪型　服装　発言　大歓迎！！　ただし　痛んだ髪　歯　汗臭さ　ダサい服　みっともない体型　全ての身だしなみができない選手は２軍行きだよ」と投稿。選手たちに野球以外の面にも気を配るよう要求している。個性豊かなスーパースターの出現が、チーム躍進の鍵を握る。