大相撲
2021/11/25 14:40

一山本9勝目 再入幕目前に

2桁10勝に王手をかけた一山本

 大相撲九州場所11日目は24日、福岡国際センターで行われ、西十両4枚目の一山本(28、岩内出身=二所ノ関)が東6枚目の琴勝峰(22、佐渡ヶ嶽)を肩透かしで下して9勝2敗。再入幕を大きく引き寄せた。東十両10枚目の矢後(27、芽室出身=尾車)は西2枚目の魁勝(26、浅香山)を上手投げで破って4勝7敗。西十両9枚目の旭大星(32、旭川出身=友綱)は4連敗で2勝9敗となった。

十両V争いトップタイに

 3場所ぶりに十両で戦う一山本。1場所での幕内復帰へ大きく前進する9勝目を手にした。若手有望株の琴勝峰に立ち合いで押されるも、鮮やかな肩透かしで快勝。「押されても慌てずにしっかり回り込めた」と笑顔を見せた。残り4番で一つでも勝てば、幕内復帰が濃厚となる。
 好調の要因の一つが、睡眠時に使う耳栓だ。「(宿舎で)僕の横がテーブルとかをしまう部屋なので、そのガタガタで昼寝している時に起きないように」と今場所から導入した。「僕の中では睡眠が唯一の安定剤。心を落ち着かせてくれる。(勝ち星先行は)耳栓のおかげ」。効果てきめんだったようだ。
 9勝1敗だった王鵬、荒篤山がともに敗れ、十両の優勝争いでもトップタイに躍り出た。「全体的にしっかり前に出られている相撲が多い。調子はいいと思う」と確かな手応えをつかんでいる。
 それでも、欲は出さない。「優勝とか、幕内に戻る戻らないではなく、しっかりその場所、1番、1番できれば。これからもけがなく、1番でも多く勝てればいい」。一山本は地に足をつけ、快進撃を続ける。
(近藤裕介)

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