ファイターズ
2024/03/03 16:20

《ハム番24時》3月3日

 阪神とのオープン戦を取材するため、久々に札幌ドームを訪れた。昨季の日本一メンバーを中心に組まれた強力打線や、道産子・門別の快投など見どころたっぷりな2日間だった。それでも両チームを通じて最もインパクトを与えたのは、初戦で最速159キロを記録した杉浦のピッチングだろう。

 かつて守護神を務めた男は、着実に復活への道のりを歩んでいる。登板後には「きょうはスピードが出すぎかな」と謙遜の言葉を残すも、フロックではなく紛れもない実力だ。

 ふと過去に見た光景を思い出して、取材メモを掘り起こした。昨年10月上旬。まだシーズンの余韻が残るエスコンフィールド北海道で、再出発を期して白い息を吐きながら自主トレに取り組む姿があった。

 24試合の登板に終わった2023年を悔いた杉浦は「僕はそんなに休む必要がないので普通に練習します。もう一回、体をベースアップしたい。チーム内では年齢が上の方だけど、年々進化する気持ちが必要。まだ30代になったばかり。筋力アップはオフにしか取り組めない。実戦から離れるけど、準備期間として蓄えをつくっておきたい」。真剣なまなざしには、強い決意がにじんでいた。

 快速球を繰り出す本来の姿を取り戻しつつある。衝撃の159キロをベンチで見届けた建山投手コーチは「去年、シーズンが終わってから、がっつりトレーニングするところを僕も見てきた。投げる方ではなく、体づくりを見つめ直したんだと思う。それが実を結んだなと思いながら(投球を)見てました」と、ほほ笑んだ。努力は裏切らないー。言い古されたフレーズを体現してほしい。

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