プロ野球
2023/12/21 05:00

虎の道産子左腕・門別啓人投手 クロスファイア磨いて日本一連覇に貢献だ

プロ1年目を終えた阪神・門別投手が、母校・東海大札幌高で今季を振り返った(撮影・西川薫)

母校・東海大札幌高で自主トレ

 阪神の道産子左腕・門別啓人投手(19、東海大札幌高出)が、母校でルーキーイヤーを振り返り、来季の抱負を明かした。今年は7月のフレッシュオールスターで2回無失点と好投。プロ初登板となった9月15日広島戦は3回3失点だったが、同30日の同カードでは1軍初先発で5回無失点とリベンジした。1軍2試合、計8回で防御率3・38。ドラフト2位の期待に違わぬ結果を残した。さらに10月に宮崎で行われたフェニックスリーグでは、高校の先輩である日本ハムの今川優馬外野手(26)と同門対決の約束を交わした。

 甲子園出場を目指して3年間野球に打ち込んだ母校の室内練習場。門別にとってプロ入りの原点となった場所で、来季へ向けて爪を研いでいる。「懐かしいっすね。この感じとか。結局、ここが一番落ち着く。ずっと自分が練習してきた場所なんで、ちゃんとできるかなって思ったのと、去年まで12月と1月って指定強化の練習っていうのが阪神にはあったんですけど、それが今年なくなって、自由になった」。年内までは札幌で体づくりに汗を流し、年が明けたら2軍本拠地の鳴尾浜でびっしりと追い込む予定だ。

7月18日、フレッシュオールスターに出場し、ウエスタン先発で力投する阪神・門別啓人投手

 

阪神リーグVの翌日に広島戦でプロデビュー

 プロデビューは阪神がリーグVを決めた翌日の9月15日。舞台は3万人以上が詰めかけた広島・マツダスタジアムだった。家族が応援に駆けつける中、2点リードの三回にマウンドへ上がった。「『優勝が決まったら投げるから』みたいに言われてて、こんな急に呼ばれるんだって正直びっくりしたんですけど、優勝が決まって次の日に移動ってなった時には、もう気持ちの準備はしっかりできていた。でも、いざマウンドに立つってなると、今までにない緊張感で、アウェーの中、真っ赤な中で、一軍っていうプレッシャー以上の重みっていうか、プレッシャーを感じました」。結局、この日は3失点で逆転を許し、3回3失点。ほろ苦いプロ初登板となった。

2週間後の同カードで初先発してリベンジ投

 リベンジの機会はすぐに訪れた。2週間後の同30日。再びマツダスタジアムで、今度はプロ初先発。「1試合目の時は、すごい変化球でもどうにかして交わしてっていうピッチングになっちゃったので、そこを真っすぐでどんどん押して、打たれても真っすぐ」と、攻めの投球に転じた。広島先発の九里亜蓮投手(32)が5回完全投球だったが、門別も7本の安打を浴びながらも無四球に加えて三振も4つ奪うなど5回無失点と食らいついた。「最初はめちゃめちゃ不安ばっかりで、通用するのかなって部分があったんですけど、フレッシュオールスターに出場させてもらったり、いろんな機会を得て、自分自身で成長できたかな。1軍を経験できたのはすごい良かった」。開幕前に掲げていた「初勝利」こそ達成できなかったが、最初で最後のルーキーイヤーは及第点がつく内容だった。

岡田監督の秋季キャンプMVP

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