６年目右腕の〝棋力〟が、いよいよ証明される。２１日に開催される「球王決定戦」は、プロ野球選手の将棋ナンバーワンを決める大会だ。今年はチーム随一の腕前を誇る田中瑛が満を持して初出場する。「調整は順調。任せてください。優勝します」と、堂々の球王獲得宣言が飛び出した。

　日本将棋連盟公認アプリ「将棋ウォーズ」３級で、「あと２勝ぐらいで２級」と日々腕を磨いている。居飛車、振り飛車などの戦法は「内緒です」と、本番まで手の内は明かさない真剣モード。「制限時間１０分が問題。長そうで短い。焦ってくるから、ミスをしないことが大事」と気を引き締めた。

　オフも厳しいトレーニングで体をいじめる田中瑛にとって、毎晩の対局は癒やしの時間だ。「夜、ソファに座りながら将棋をやっている時間が一番、良い時間です。ゲームは飽きるんですけど、将棋は飽きない。たまに課金して、自分の手を解析してもらったりもしています」と笑顔を見せた。

　最大のライバルは、同学年で現「球王」のロッテ・安田。「安田には負けられない。絶対勝ちます」と意気込んでいる。同じパ・リーグに所属し、来季野球で対戦する可能性も高い。まずは将棋で打ち負かし、本業に弾みをつけてもらいたい。