守備漬けの一日が終了

　新任の日本ハム・谷内亮太内野守備走塁コーチ（３２）が１日、エスコンフィールド北海道で秋季キャンプに参加し、指導者として初仕事に臨んだ。大勢のファンの視線を浴びながらノックを打ち、助言を送った。守備漬けのメニューを消化し、一日目が終了。「疲れました。あっという間でした。ノックの点数は（１００点満点で）５点ぐらい」と冗談交じりに笑った。

対話を大切にする指導スタイル

　若手に慕われていた内野のスペシャリストがコーチとしての一歩を踏み出した。選手に寄り添い、対話を大切にするスタイル。鎌ケ谷で練習してきたノックもすぐに実践の機会が訪れた。「打球の質で選手がうまくなったり、チームが強くなることが全然ある」と肝に銘じ、バットを振った。

予想外の指名に「マジかよ！」

　ハイライトはキャッチャーフライだ。何度か前方に飛ばすミスはあったが、最後はきっちり本塁付近の上空に打ち上げてお役御免。ファンの温かい拍手が降り注いだ。ただ、新コーチは内心、穏やかではなかった。「ムズいです。きょう打つとは思っていなかったのでうわ、マジかよ！ と。キャッチャーの協力もあり、何とか終わった」と冷や汗。続けて「（飛球が）低いと文句を言われたので、ちゃんとやらないと。自己満ではなくて、選手が必要としている打球を打つ技術を身につけないといけない」と気を引き締めていた。

荒木臨時コーチは大スター　「僕が現役ならガンガン聞きに行く」

　この日は新庄監督の依頼を受け、ゴールデングラブ賞６度獲得の名手、荒木氏が臨時コーチで訪れていた。谷内コーチにとっても特別な存在で「緊張します。大選手、大スターなので」と尊敬のまなざしだった。一流の極意を学ぶチャンス。選手たちに「守備もそうだし、バッティングも走塁も、自分がやる、やらないは別にして、全部聞いた方がいい。僕が現役ならガンガン聞きに行く」と勧めた。

球場で応援してほしい

　選手の一挙手一投足が大型ビジョンに映し出され、好プレーには拍手と歓声が響き、エラーにはため息がもれた。実戦さながらの環境は有益だ。「選手心理として、下手な姿は見せられない、良いところを見せたい―というところがあると思う。たくさんのファンに見られている方がうれしいですし、ぜひ、球場に来てほしい」。失策減少の任務を託された青年コーチは、ファンの協力を強く願っていた。